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新しい生活様式に「慣れすぎた」人々が別の世界に出会った時、そこからは何がうまれるのだろうか。


さて、気がつくと今回のMCO(ロックダウン)も25日目を超えた。


ロックダウンの日記もこんなに続くとは思わなかった。お願いだからマガジン名の書き直しだけは避けたいが、最近は自信がない。


一体何回目のロックダウンだろう。そして明日からまた規制が厳しくなる。この規制はしばらく続くだろうと思われるので、今日までに冷蔵庫、冷凍庫がパンパンになるくらい宅配で買い物をして準備を整えた。


宅配で買えばお店を助けることもできるし、お店に行かないので密にならないし、外出するなという政府からお願いも守ることができる。しかも美味しいのでまさにWin-Win。


しかし最近思う、この「新しい生活様式」に慣れ続けた人類は一体どこに行くのだろうと。新しい生活様式って言ったらやっぱりこれよね。


ここ1年、私が住むマレーシアのクアラルンプールでは新しい生活様式が数ヶ月ごとに変化していった。一番規制が厳しい時は、1日に数回家から出たら逮捕とかマラソンしたら逮捕とかもあった。流石に運動の必要性が認識されてきたので、今回はそこまでの規制はなくなったけど、まだ買い物制限とかはある。


6月1日からロックダウンが厳しくなるとの予測があったので週末、子供と一緒に家の隣の公園散歩と、小さなスーパーに買い物に出かけた。日系食品を扱う店に入った時、子供がものすごく「気分が高揚してる」ように見えたのに驚かされた。


彼は15歳なので「お店のものを勝手に取って開けてはいけない」くらいは流石にわかっている。しかし今までは特に見せなかった「お店に入った時の高揚感」で終始落ち着きがなかった。そうか、考えてみたらお店に久しく入ってなかったかもしれない。


15歳の子ですらこうなのか。


現在のマレーシアでは全国的に「12歳以下の子供の店舗入店を制限しているお店が増えてる」そうだ。外出も自粛するようにとのニュースも出ている。幼稚園、保育園は営業しますと政府の会見では言ってたけど「実際は休園が多数」という状況も聞こえてくる。


確かにこの感染者が爆増してる状況では「園児を登園させること」はリスクが高いといえば高い。経営側としては避けたいのだろう。そして営業を許可された業種も「営業許可証が取得できない」という理由でまず2週間閉店という方針を出している企業の声も聞こえてくる。


どうも思ってるほど明日から楽ではないのかもしれない。結果的にガチ篭りに追い込まれるってことかな。


この状況、子供を育てる保護者側の立場からすると「幼少時期に家に籠る、家族以外の人に触れない、お店に行くことや買い物してる様を見るとか外食をするなどの「社会活動を行う」ことが極端に少ない」という状況に「保護者も子供が慣れてしまう」事態にはとても危機感を感じる。


なぜ危機感を感じるか。それは昨今、欧米が一気に生活等式を戻しにかかっているので、「異なる生活様式で生きる子供達、青少年たちが存在する」ことになるからである。


これからの数十年で子供達が成長して、働いていく世界は私たちが今まで住んでいた世界とは明らかに変わるだろう。同時に懸念せねばならない点を2点感じている。


第一点は「オンライン不登校、不出社への対応の難しさ」。これだけオンライン学習とリモートワークが進んだ中、このシステムからこぼれ落ちる層が確実に出てくる。いわゆる「オンライン不登校」「オンライン不出社」である。

今までのリアルな世界でも「不登校」や「不出社」はもちろんあった。しかしこのリアルの「不登校」や「不出社」とオンラインの「不登校」や「不出社」は世界の侵食度が違う。なぜならオンラインは「自己を隠そうとしても見えてしまうから」。このどこまで追っかけてくる、でもリアルでは孤独というパラレルワールドは本当にしんどいのではないだろうか。


そして第二の懸念点は世界のパラレルワールド化による「生活ルールのパラレルワールド化」である。今、アジアは感染拡大で引き締めの時期。そして欧米はワクチンの浸透による緩めの時期。世界が明らかに分断されている。この分断された世界で成長する子供達は、(保護者が完全に保護できる世界を作らない限り)成長の過程で交流の機会が生まれる。


その際に子供自身にどのような体験が生まれるか。いや、もっと言うとその交流から彼らがどんな思いをするのか、親故の感情の暴走が止まらなくなる。時にうちは息子がIGCSEという国際試験を受験してるから、世界の生活様式がパラレルワールド化してること、その違いから生まれる戸惑いを子供はどう思うのか、考え込んでしまうことが多い。

そして親が子供の代わりには絶対になれない、子供を守り続けることできないと重々わかってるので、ついつい「体を鍛えろ」とか言ってしまう。。。

そこで鍛え続けてきてる息子さんも偉い。このロックダウン辛くないの?と聞いたことがあるのだけど


「トライアスロンのレースで蹴られながら海で泳いで、自転車で転倒して血だらけで走って、そのままマラソンで完走するよりかは楽」


比べる対象が激しすぎる😅


ちなみにこの転倒レースには続きがある😅


ただね、この過酷な状況に慣れていくことと同時に「別の世界に触れた時にそこに挑む気力体力があるかどうかで全然違う」ことは子も親も全ての人間が忘れてはいけないと思うのだ。極端な言い方をすれば


「俺はマスクをしない!」と言い切った人にリアルで遭遇した時、子供自身が対応する準備はできてるか


自分が生きてきた場所で設定された「新しい生活様式」に慣れ、慣れすぎて、それが当たり前と思ってしまうようになった時、その人自身が違うルール、違う世界で生きてきた人に突然遭遇した時に対応方法を自分で判断できるか。


異世界との遭遇、これからの世界で生きていくために不可欠な要素のなるのではという気がしてならない。語学でも、学習分野でもない別の意味、というかもっと重要かもしれない「生活様式のグローバル化」。


ここがどうなるのか、新しい生活様式に「慣れすぎた」人々が別の世界に出会った時、そこから何がうまれるのだろうか。答えはまだ誰にもわからない。


とりあえず、明日からのお篭り頑張ります。アンディ・ラウが加油!って言ってくれたしね。