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第8回横浜トリエンナーレに行ってきた②ーパンカチーフのワークショップに参加したー

芸術祭の長時間のワークショップって誰が参加してるの?って思ってたのよ。


さて、第8回横浜トリエンナーレの連続記事第2回目。既に一通り回ったのだけど今回は「市民としての参加」を意識しています。だって横浜市民だもの。
今回はパンカチーフの刺繍ワークショップに参加したことについてです。

パンカチーフとは。
(ナンシー・リウ[劉南茜]、マイケル・ルン[梁志剛]、ジョン・ユー[余在思])(香港)の主要メンバー3人のコレクティブです。。


私は以前、友人でもあるパンロックが参加する展覧会「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐」(脱境界:インターアジアの木版画実践)を拝見してから「コレク
ティブの活動」ということに興味を持ちました。

アートコレクティブっていうのは正直、分かりづらい。主要メンバーはいるけどでもその場その場でもメンバーは変わっていく。社会活動においての緩やかな連帯。大事なのはメンバーだけでなく「活動の場」なんですね。

正直イメージ湧きにくいと思います。私もいまだにしっかりとはわからないです。

でもね、今回このワークショップに参加した人たち、彼らの活動を知ってる人はどのくらいいたのでしょうか。
私は初めて「芸術祭に地元民として参加」している。今回、このワークショップは所要時間はなんと2時間以上。これは訪問者にはちょと出来ない。地元民しかいないだろう、っていうかどんな人が参加しているのだろう?という好奇心と共に参加することにしました。

こんな時のための「市民パス」です(市民パスは会期中何回でも訪問可能、これはとてもありがたい)。

まさか定員オーバーはないだろう、と思ったが念の為30分前に受付。その時は4番目でした。そしてウロウロしながら時間を潰し、いざ入室。談笑してると予想以上の参加メンバー。定員10名と聞いていたがどう考えても20名はいらっしゃいました。めっちゃいるやん。


そうなんです。なんだかよくわからないけど、いっぱいいる。それがコレクティブなんです。

定刻通りに開始。最初に全員で英語で自己紹介。その際に「パレスチナについてどう思うか」のコメントも話すことになりました。私はどうしようって思ったが「ムスリムの友人も多いので考えることが多い」と話してみました。
参加者の人にはこのような方向性を知らなかった人も多く、戸惑ってる方も正直いらっしゃったように感じました。特にこのワークショップでは刺繍をしにきた!(英語は話せません!)という人ももちろんいらっしゃいました。パレスチナの刺繍を習える、と思っていた人もいた様です。まあそういう誤解も、ありますよね。あの案内では。

そして次はパレスチナの詩人の詩を順番に朗読することになりました。AからZのチャプターを順番に朗読していきます。面前で英語を読む経験なんていつ以来でしょう。明らかに戸惑ってる人もいましたね。

そして朗読が終わった後、いきなりハンカチに刺繍開始。
パンカチーフの活動は基本的には「その時のテーマについて刺繍をしながら話し合う」。ここに細かいルールや考え方はない。もちろん詩集を教えてくれるわけではない。
そのゆるさに戸惑ってしまうのが日本人マインド。
隣のスペイン語を話すお姉さんは裁縫ほぼ初めてだそうで明らかに動揺していましたので、私が僭越ながら指南させて頂きました。

刺繍っていざ始めると楽しくなってきちゃうんですよ。でね、私と隣のお姉さん、刺繍してると話せないんですよ。でも日本語話者じゃない反対側の欧州系のお姉さん2名はめっちゃ話しながら手を動かしておられました。そして「ねえねえこの次どうしたらいいの!」と私にヘルプを。

そして2時間後にとりあえずお開き。皆で途中作品を集めて記念撮影。私、なんとか仕上げられてよかったです。

隣のお姉さんの鳩と、パレスチナ国旗を象徴するスイカを刺繍した私。パレスチナを象徴するのはスイカだそうなんで。


今回はアクティビズム的にはまさに最初の最初、って感じでしたが、でもそこから始めるのがアクティビズムだと思うのですよね。特に日本人マインドではこの様な政治的なアクティビズムの行動に対してすごく恐怖感があるのが現状。正直その恐怖感は私にも、あります。
なのでまずはこのようなゆるい空気でまず触れてみよう、という行動を起こすことから始めるのが良いのでは。という気持ちになりました。

この様な「芸術祭の拘束時間が長い時間のワークショップは基本地元系の人が多い」、というのもよく分かりました。ということは、拘束時間の長いワークショップに参加したら地元のアート好きに出会えるってこと・・・?

私自身は上記展覧会でご挨拶した方々に再会できて、とても良い時間になりました。2時間じっくり楽しかったです。

で、もしかして。読む詩集「ししゅう」と縫う刺繍「ししゅう」。これって韻を踏んでる?(実はさっき思いつきました。昨日思いつきたかった…。)