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安川新一郎さん×高橋祥子さん出演「ウイルス共存社会をどう生き抜くか」を聞いて納得したことと強く疑問に思ったこと。

最近オンラインイベントが増えて、本当に嬉しい。今日はこちらを拝聴。

まず、こちらに登壇してくださった高橋さんに深い敬意を表したい。出産後1ヶ月での登壇と聞いて私のような出産経験者は皆涙したのではないだろうか。出産1ヶ月後ってハイテンションモードを経て自らの体と痛みと冷静に向き合うようになり(つまり痛えってことですよ!)赤子の世話がこれでいいのかと常に悩みそして睡眠、休息も満足に取れない時期。それなのに登壇して下さったことに深く、深く感謝します。ありがとうございました。

スライドを安川さんが早速UP。すごくわかりやすかった。

今回は安川さんの講義的なお話がメインでそこに高橋さんのコメントが入るスタイル。感染症に関しては多方面で色々な方がわかりやすくお話しして下さってる。今回の話もとても面白かった。特に面白かったのはウイルス=病原菌ではない、ただの物質であるということ、体内に入ってからの活動であると。

この定義が一番わかりやすかったのが明和電機の土佐社長が動画で話していた「ウイルスは流れの料理人である」だった。(超長い)

「存在そのものは挿入しなければ無問題。内部に入ってきてそこでどう活動するかによって進化にもなるし乗っ取りにもなる」。このコメントは事業報告ショーで聞いた記憶があるんだけど文字起こしはされていないので動画のリンク置いておきます。土佐社長の「コロナのシュミレーション」はとてもわかりやすかった。

今回ぜひ覚えておきたいと思ったキーワードは「水平転移」と「垂直転移」。生物の定義の1つに「遺伝子情報に基づいて子孫を残す」があるそうだけどそれは細胞分裂によって母細胞から娘細胞へ染色体がコピーされる垂直転移(超ざっくり)。

そうではなく個体間や他生物間においておこる遺伝子の取り込みが「水平転移」というらしい。感染症による「取り込み」はまさに、水平転移。ここで素朴な疑問。

「転移を繰り返し多様性を作り出すのなら、なんでCOVID-19はある特定の症状(例:高齢者や基礎疾患の人に死亡者が多い、欧米で肥満傾向の人に死亡者が多いなど)で大暴れしたりしてるのか?それは多様性とは反しないか?」

すると高橋さんが察して下さったのか私の疑問をぶった切ってくれました。

「ウイルスが行う活動はアルゴリズムにすぎない」


そうなのか、ついつい目的を感じてしまうけどそうではないってことですな。単なるアルゴリズムでしかない。その場、その環境にどのような影響が出るかは単なる結果。

そうなのかー。

ではそうなると、そのアルゴリズムに人間が感情で翻弄されて様々な問題が起きていくという感じなのだろうか。まずはその「単なるアルゴリズム」に翻弄されないように自らの環境を整えるしかない。

そして今回のトークで疑問に感じたこと。

「日本における感染症で何故ハンセン病に触れる人が少ないのか」

今回も事例の中に全く出てこなかった。安川さんが写真でご紹介頂いた本の表紙に「ハンセン病」という文字はなかった。感染症は「アルゴリズムに人間が感情で翻弄されて様々な問題が起こす」のなら、日本での事例を振り返るのが一番参考にあるのでは?と思うんだけど、ハンセン病と日本の新型肺炎COVID-19の対応方法を比較してる事例に私自身、なかなか出会えない。

「自粛警察」や「見てなかったことにする風潮」や「長期による感染による差別」など、事例として比較したら見えてくること多いと感じたのですが、あまり触れられていない。

ちなみに私がハンセン病に興味を持ったきっかけは「瀬戸内国際芸術祭」で大島を訪れたのがきっかけ。今回のnoteのTOP写真も大島の海。

こちらは大島に展示されている解剖台。ハンセン病の患者さんは入所時に解剖への同意書にサインをさせられたとのこと。そして亡くなった患者さんは「研究のため」に解剖されていた。その解剖の助手は軽度のハンセン病患者さんが動員されていたと聞いてしばらくその場から動けなかった。

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今は日本に行けないけど、今度行けたら大島に行きたい。この新型肺炎と共存する世界、どう生きていくか大島で考えたい。

ちなみにハンセン病に興味を持ったけど何も知らんという人はこちらの本をぜひお勧めしたいです(Kindleあります)。「日本における感染症」がどのように扱われてきたか、すごく感情的に納得できることが多いと思います。