同じものを見ても聴いても、切ないと思わない人

もうすぐ卒業式のシーズンですね。卒業というと別れ…切ない空気が漂います。

しかし我が夫であるスウェーデン人には、これが不思議でならないようです。向こうでは「卒業=祭り」、学校から解放されてヒャッホウ!な日なのだそうです。

日本の卒業式のように悲しげな旋律の歌を歌ったりなんかしない。とくに高校の卒業式での弾けっぷりはスゴイ。一度だけ見たことがあるのですが、みんなで柵のついたバスの屋根に乗り、街をパレードするのです。そんなに嬉しい!?と度肝を抜かれました。その後はパーティーしてお酒を飲むそうです。向こうでは18歳から飲酒可なのです。

先日は息子が聴きたいというので、幼稚園を卒園する時にもらったお別れソングのCD(プロが歌っているもの)をかけて二人でしんみりしていましたら、旦那がやって来て、「可愛い歌だね」と言ってきました。可愛い…確かに。歌詞も歌声も可愛いくはある。でもそこじゃなくない?「切ないだよね、これ」と返しますと「出たっ、日本人のセツナイ!」とからかわれました。

日本人は桜を見てもセツナイ、歌を聴いてもセツナイ、本を読んでも映画を見ても全部セツナイだーって笑われます。いや…おたくの国にはそういうキメ細かいメンタリティーはないんですかね?って聞いてみるんですが、ないみたいですね。旦那の周辺しか知らないけど、なんかもう、ヤツの話を聞いているとそう思えてくる。義母はお別れする時には涙ぐむし、スウェーデン人にも湿っぽい所がないわけではないと思うんですが、基本みんな元気でドライに見えます。

でもこういう人が近くにいると、楽ですね。そうか、いちいち切ながる必要もないのかって、ちょっと思えるので。

ちなみに午後五時になると自治体が流してくる「子供たちはそろそろ帰りましょう」の曲も物悲しくなってきて困るので、もっと「夜はコレからだぜ♪」って感じのポップな選曲にして欲しいんですが、それだと子供らが帰らなくなっちゃうか。そして我が夫はこの曲すらも「とくに暗いと思ったことナイ」だそうです。

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