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DAY 25 子どもと一緒にNZ 2024

(2024年の一年間、高校生の娘と小学生の息子、そして母である私の3人で「ニュージーランド暮らし」を決行します。このチャレンジの準備から現地での暮らし、帰国までの事実、そして気持ちをココに記録しておこうと思います。)

ついに息子が一人で学校に

NZ滞在25日目の金曜日。子どもたちは学校に行きました。

息子に昨日から言い聞かせていた言葉がありました。

もう一人で大丈夫だって
「もうあなたはお母さんなしでも大丈夫って先生が言っていたよ」
「もう大丈夫らしいよ」
「もうひとりで大丈夫なんだって」

呪文のように言い聞かせました。
そして・・・今日はすんなりクラスに入って行きました!

私はもう、いらない。たぶん、大丈夫。

学校の様子やルールがわからなかった息子も、やはり毎日毎日同じルーティンで一緒に過ごすことで、周りの子どもたちとも一言、二言話すようになり、だんだんと慣れてきたようです。
学校が始まって2週間。よく頑張った!(わたしも)

やはり子どもは早いな。しかも息子はほとんど英語を聞き取ることができるので、言葉の壁はない、と言ってもいいかもしれない。あったのはカルチャーの違いだけ。

しかも、息子にとってプラスのカルチャーばかり。

・子どもたちは中でも外でもみんな裸足
・宿題なし
・おやつタイムがある
・外で遊ぶ時間がたくさんある
・座りっぱなしの「お勉強タイム」がほとんどない

そして・・・万歳!ウェルカム、自分時間。

キルターとミシン

先日出会ったキルターのGillのお家へ行くことにしました。
キルターGillと出会ったのはNZに来て8日目のことでした。

日本を出発する直前に、実は作っておいた生地がありました。
娘が一生懸命描いた絵をブックカバーサイズにプリントアウトしておいたのです。
(自分のデザインを生地にプリントしてくれるサービス、リアルファブリックを利用)

(この絵が親バカながら、本当に素晴らしいと思ったので、なんとかして持ち歩きたい、娘がいつも読む本のブックカバーに、と思いました。)

この場所に戻ってくるのはほんの数週間ぶりだけど、毎日が濃すぎてものすごく久しぶりに感じる。


大きなカッティングマット、ロータリーカッター、JANOMEのミシン、全て借りてサクサクと縫い物。

久しぶりだったけれど、なんだかアメリカ留学中に戻った気分。
あのとき23歳だった自分は今、48歳になった。

あの時のホストマザーは当時70代後半だったから、Gillも同じくらい。

わたしはこの25年の間に、子供を二人産んで育て、キルトショップを経営して、閉店させ(二度も)忙し過ぎた時代。

自分は何を学んだのだろう。
経験だけは色々できた。と思うけども。いまだに爽やかな思い出とならず、心の中でくすんだままなのは、何かがまだ消化できていないのだろうな。

クロスステッチの宝物

実はこのブックカバーを作った経緯について話をしていたら、あることが判明しました。

Gillは、愛する娘さんを20年前に亡くしていたのです。

インディアンの素敵なレイディのクロスステッチが壁に大切に飾られていました。

その娘さんが残したクロスステッチを、ずっと生地にしたかった。
生地にしてキルトを作りたい。と思っていたのです。
けれど、プリントする方法を知らなかったのです。

ニュージーランドにはそういうサービスがないらしい。(もしかしたらあるのかもしれないけど、あってもオーストラリアだろうな。)

日本のサービスを使って、私が代わりに生地にするところまで手配をしてあげられるよ!

Gillは泣いて喜んでいました。

NZに出発の1週間前、夜中にふと思い立って「娘のあの絵を生地にしておかなくちゃ!」と、イラストレーターでブックカバーのパターンを作り、そこに絵の写真を入れ込み、デザインをプリント会社へ送信。「なんとか急いでやってくれ」と無理にお願いをして(いつも)、無事ギリギリ出発前に届きました。

そんな私にとっては「簡単に」やっていた作業が、Gillにとっては何年も何年も待ち望んでいた夢でした。

娘さんが生まれたのは1974年と聞いて驚きました。
私は75年。生きていればほぼ同じ年。

私がバタバタと過ごしたこの25年。Gillはどれだけ辛い思いをしてきただろう。
そして娘さんが望んだこの月日を、私は「バタバタしていた」という言葉ひとつで片付けようとしている。

もっと大切に生きなくちゃ。

絵を描くのが好きなアーティストだったらしい。

私はもしかしたらこのためにGillに出会ったのかもしれない。
隣でエンブロイダリーミシンと格闘しているGillとおしゃべりしながら、ソーイングをする時間。

なかなかもう細かいところが見えないよ、とGillが言えば、
私も老眼鏡を取り出し、設定が合っているか覗いてみる。

Gillはかわいいお孫さんたちに囲まれ幸せそうだけど、もしかしたら娘さんがこの場所にいたのかもしれない。

彼女がしたくてもできなかったことを、私が今こうしてしていることを考えると、涙をこらえるのに精一杯で、ミシンを踏む足が震えていました。

また来週も遊びに来よう。
たくさん話そう。
たくさん一緒にソーイングをしよう。

インディアンレイディのクロスステッチは綺麗に撮影をして、4月か5月までに必ず発注して生地を手渡す、という約束をしました。

反省会

Gillのおうちは最初の2週間に滞在したB&Bのすぐ近く。

「ベジタブルあるからおいで!」と言ってくれていたので、立ち寄ることに。

こちらも懐かしい(たった数日前なのだけど)アルパカや羊たちが出迎えてくれました。

相変わらず忙しいB&B。
ゲストが毎日いろいろな国からやってきては、楽しい時間を過ごしていく。私たちが滞在した夢のような時間を思い出しながら、ゴージャスな扉を開けると・・・洗濯物の山!

思わず「手伝う!」と言ってから、シーツや枕カバーのアイロンに2時間。

気づけば朝ごはんもランチも忘れていた。
慌てて「また来まーす!」と言い残し、子どもたちのお迎えへ。

B&Bを出て、この家に住み始めて2週間が経ちました。

反省会をしよう!と娘の提案で始まった会。

ワインやジュース、お菓子などを並べて
この25日間でできたこと、反省したいこと、来週挑戦したいことなどを話し合いました。

あまりにいろいろなことが短期間で起こったので、お互いに優しい声を掛け合うことも忘れることもありました。

私にとっては、この歳で初めての挑戦が山ほどありました。
子どもたちにとっては初めての大きな大きな不安や挫折がありました。

まだまだこれからどんな出来事が待っているのか想像もつかないけれど、
これからも3人で頑張っていこう!楽しもう!と再確認をしたのでした。

サポート頂けたら嬉しいです!自分の世界をどんどん広げ、シェアしていきたいです。コツコツ階段を登り続け、人生を楽しみ尽くします。