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生理がなくなったら人生が変わった

先日新聞に、以下のような記事が載っていました。

高校入試 月経も追試可能に
月経による体調不良で高校入試を欠席した場合、追試験の対象にできるー。

2023年11月17日 朝日新聞 朝刊

「みんな我慢できているのだから、私にだって我慢できるはず」

とずっと思っていました。
あまりに量が多くて、血が服についてしまったり椅子についてしまったことは数え切れない。いい歳になっても。
アレとかアレなど、いろいろ使っても、1時間ともたない。

少なくとも1ヶ月のうち1週間は気分も沈み、頭痛や腹痛、腰痛とともに、椅子から立ち上がるたびに不安と不快感。

生理のない男性が羨ましくて仕方なかった。(男性は男性で、きっといろいろあるのだろうけど)

試験はもちろん、運動会や修学旅行やその他学校行事、数時間の講習とか、旅行やキャンプ、子供ができてからも、数あるイベントの度にどれだけ不安で嫌だったか。

ずっとずっと「みんな我慢できているのだから・・・」と思っていました。もう何十年も。

昔から貧血があり、今年の初め頃からさらにその貧血がひどくなり病院へ。点滴してもあまり効果は得られず、内科の先生はいろいろと調べてくれたけど病気はなし。

そんな時になんとなく向かった婦人科。

状況を先生に話すと、

「生理、止めてみましょうか」

え!そんなことできるんですか!!

月に一回の注射一本で、ピタッと生理が止まりました。そして数ヶ月経って貧血もミルミル改善へ。

貧血と聞いたら生理、とどうして気づかなかったのだろう?こんな簡単なことを、私は何年も何十年も知らずにいたなんて(というか、考えようともしなかった)。全く自分の体を大切にしていませんでした。

もっと若かったら手術して・・・という方法もあったらしいですが、年齢も年齢なので、閉経に向かって頑張りましょう、と。

新聞には、
「受験日と月経日が重なることで不安はあったか」というアンケートで、85.1%(1197人回答)の人が「はい」だった、という情報が載っていました。

そりゃそうですよね。自宅のトイレではないこと、拘束時間が長いこと、機嫌も体調も悪い。症状が軽い人だって、実力を100%出せないのは目に見えています。

「仕方ない」の一言で終了のトピックかもしれませんが、娘を持つ親として、なんとか少しでもこんな状況を回避させたい。

婦人科の敷居が高いのも問題かもしれない。

私が高校生の頃、修学旅行にかぶりそうで不安で不安で不安で・・・結局楽しめなかった記憶があります。

あの頃からピルなどあったのだろうか。あの時、母が婦人科に連れて行ってくれていたら、その後の人生、どれだけ辛い日を回避できただろう。

ずいぶん最近まで知らなかった。生理をずらせるなんて。娘が旅行の時は、婦人科の先生に相談しよう、と連れて行きます。

女性は皆、生理が始まったらかかりつけの婦人科の先生に気軽に相談できればいいのに。

例えば赤ちゃんは一人一人母子手帳を持っているけど、女の子は生理が始まったらその母子手帳と一緒に地域の婦人科での定期検診に移行するのが決まっている、など。確定申告と同じくらいの義務感で。

そういう仕組みがどこかの自治体ではあるだろうか?

人は自分の体を大切にしなければいけない。

このことを、食後は歯を磨きましょう。と同じくらい身近に、気軽に、毎日、正確で、絶対的な意識まで埋め込める方法はないだろうか。

読み書き計算よりも、もっともっと早くから、もっともっと長いこと、もっともっと詳細に、子どもに言い聞かせるのが大人の役割かもしれない。いや、すでにきっと世のほとんどのお父さんお母さんはやっているのだろうな。
でも忙しくて、大人がついつい後回しにするから、それを子どもは真似しちゃうのだな。

あれ、話がかなりソレました。

気軽に相談できる環境があれば、月経痛を和らげたり、自分の都合で日程をずらしたりできることを、今の中高生は知っているだろうか。もしかしたらネットですぐに情報が得られる時代だから、心配しているのはおばちゃんの私だけかもしれないけれど。

経済的な理由や家族の関係によっても声を上げられない若い女の子は多いかもしれない。

生理用ナプキンが学校に無料で置かれるようになった、というニュースをちらほら聞いたりするけど、それだけではない女性特有の悩みがたくさんある。

やはりこういうとき、政治家の皆さんの中に女性が少ないのは、問題だな。と思う。


実は、この新聞の記事を読んで思い出したのです。

若い頃、「生理さえなければ、きっと何でもできる、人生変わる!」と本気で思っていたこと。

いや、生理があってもなんでもできたのだけど。
(何かのせいにしたかっただけかも)

とにかく、実際に私はなんでもできるようになったと感じたのです。

最近息子とよくキャッチボールをしますが、以前ならハッキリ断る日もありました。(それでもイヤイヤやってることは多いけど。ごめん、息子よ)

一番の進歩は、予定が立てられること。生理を気にせずに予定を立てられるって、なんて自由なんだろう。仕事は3時間通しでも不安が全くない。(体力は落ちてるので、かなり疲れるけれど・・・)

生理を止める注射を打ち始めた頃、「子どもたちと海外に留学」という話が持ち上がりました。もしあの時のまま、貧血もひどく月経痛や月経量に悩んでいたら、きっと決断はできなかった。文字通り、私の人生は変わったと思います。

生理がない。そのことで、心に大きく大きく「余裕」という文字がフワフワと浮かんでいるようです。

私は人よりきっと一つのことにこだわる傾向があるので、「気にしすぎ」の部分は大いにあると思います。そんな私の心ですから、この開放感も人一倍大きいのかもしれません。

世の中の若い女性たちが、少しでも楽になるようなアイテムや仕組みの開発。きっとたくさんの人々が今この時も考えてくれているのだろうな。私はそれにあやかる前に、生理という呪縛から解放されそうです。

私の人生はココからだ。

と本気で思うほど、晴々しい気分です。
これから迎えるかもしれない更年期障害や老いによる病気など、もちろん不安は尽きませんが、、、、

と、ここまで書いてきたけど。知らなかったのって私だけ?
それもあり得る。

でも私のようにただ血の気が多い(?)というだけで苦しんでいる、心身ともに健康な女性がいたら、少しは参考になるかもしれない。



常用的にピルを飲んで月経時期を調整することをオススメしている訳ではありません。ネットにもたくさんの情報が溢れていますが、詳細は婦人科の先生に相談してみてください。
貧血には病気が隠れている可能性もあり、症状には個人差があります。むやみに生理を止めて良いことばかりではないので(実際最初は更年期障害が突然出てきて大変でした)、この記事は、完全素人の一個人の体験として流し読みしていただけたら幸いです。



そして、結局この文章を書いてからも「こんな個人的なこと記事にしなくてもいいか・・・」と思って「公開設定」の文字をクリックできずにいました。(実はそういう眠らせた記事がたくさんある)

だけど、今度は今朝の新聞に、SDGsをテーマとした活動の一環で、中高生が「生理は恥ずかしくない!」という内容の勉強会などを運営していることを知りました。

私のようなおばさんができなくてどうする。

「生理は恥ずかしくない!」
それに伴う苦痛を声に出すことも、恥ずかしいことではない。

会社や学校の休暇が取りづらいという問題も、「恥ずかしい」と思う気持ちがあるからかもしれない。

私が恥ずかしかったと言えば、学校や公共のトイレでナプキンを使う時、その袋から出す音、ビリビリっという音にさえ冷や汗が出るほど嫌で怖くて、さらに気分が落ち込んでいました。ナプキンを作る会社の人、どうして音が出ないように作らないのかな、開発部署に女性はいないのかな、とずっとずっと思っていました。

誰にも話したことはないし、もしかしたら私だけの悩みだったかもしれないけれど、それほど些細なことに神経を擦り減らす毎月の行事なのでした。

もし男性がこの文章を読んだら、少しは今後、「へ〜」と意識してくれるかもしれない。

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