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久しぶりの美容院

美容院に行く、というのはいいですね。半年に一回くらいしか行かないのだけど、気分がスッキリします。私はあまり「話しかけられたくない」タイプです。前の日から、あの本を読もう、あの仕事を終わらせてしまおう。スマホは充電100%にしておこう、なんていろいろ計画を立てます。なぜなら家と違って集中できるからです。

そして前の晩は夜更かしをせずに、しっかり寝ます

「最初にシャンプーしますねー」とせっかく座った椅子から移動させられ、さらに気持ちの良い椅子へ。グイーンと倒れ、横になったところまでは記憶がある。だけど頭を洗い始めたかな・・・という意識があるかないかのうちに、気持ちよくて寝てしまう。

洗髪も後半になって、「気持ちわるいところございませんか?」とか「洗い足りないところございませんか?」なんて聞かれる頃に、何か今聞かれた??と夢の国から戻ってきて、口がポカーンと開いていることに気づき、恥ずかしすぎて返事どころではないことになる。こんなことがこれまでに何度あったことか。

それにしても、いつもこの「気持ちわるいところ」の返事について考え込んでしまいます。もしも「気持ちわるいところ」があった場合はどうやって説明したらいいのだろう?手をあげて?指をさす?口で説明する?どうやって??

ドライヤーで乾かしてもらっている間でさえ、寝不足のときは危ない。「ちょっと真っ直ぐしていてもらえますか」なんて声をかけられてから、グラグラだった自分の頭をシャキッとさせるのに一苦労。これほど苦しいものはありません。

ということで、美容院の前日はしっかり寝る

そしていつものパターンからして、いろいろ準備した仕事は、その10%しか完了できません。なぜなら普段全く見ない、雑誌がたくさん目の前に並んでいるからです。私のちょっとしたシミやシワの加減から、40代であろうことを予想した美容師さんは、そんな人にぴったりのお料理雑誌や100均の利用方法などを特集したものやら、生活感あふれる雑誌を多めに並べてくれます。もちろん、申し訳なさそうに(?)最新のファッション情報満載のおしゃれな雑誌も数冊。

そして一度それを見始めたらおしまい。聞いたこともない新しい情報や目にも楽しいカラフルな写真がズラリ。刺激いっぱい受けて、すっかり計画は忘れて違う世界へ。

椅子に座った姿勢で雑誌を読むときって、左手で支えて右手でページをめくります。(私の場合)それを長時間続けるのってかなり疲れます。でも面白いからそのまま頑張って支え続けるのだけど。膝の上にクッション置けたらいいのになぁ、といつも思います。これまで通った美容院はたくさんありますが、どこもクッションは置いていませんでした。そんな居座ってもらったら困るか。

ぜーんぶ読み終わってしまい、さあ、そろそろ仕事か読書を・・・と思ったところで、美容師さんが選りすぐりの別の雑誌を並べてくれます。ああ、残念。とまた新しい情報をむさぼり読むのでした。

美容院に入って最初。わざわざ「貴重品はお持ちください」と言われて、ロッカーから「貴重品なんです」という顔をしながら本を数冊持ってきては目の前の台に積み上げておいた私。一度も開くことなく、ロッカーの鍵を本の上に置いたまま。

「こんな感じになりましたー。」「ありがとうございました。」と終わった時に、その本を手にして立ち上がるときの恥ずかしさといったら。誰も知らないだろうけど。


と、これがいつものパターンなのだけど、今日は違った。
なんと、雑誌がデジタル雑誌に!iPadの画面にズラっと並んだ雑誌の画像。なぜだろう。一度も手に取ることはなかった。
今日は持ってきた本を2冊。読破したのでした。

美容師さんが選んでくれること。雑誌の質感。ページをめくるときのワクワク感。ずっしりと手に重い感触。そこに価値があったなんて。

一日中、一年中、パソコンやタブレットを使っているけど、雑誌はペラペラしたい派だったんだ、私。と気づいた雨の午後でした。


タイトル画像(イラスト)は「キス」



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