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女子高生が興味を持つモノゴト

今月は娘の誕生日、ひな祭り、結婚記念日、私の誕生日がある特別な月で、我が家では「お誕生日月間」と呼んでいます。

ということで、リビングには一ヶ月という長い間、派手なHAPPY BIRTHDAYや星のガーランドや大量の風船など、キラキラとしたものが空中に浮かんだまま、日常が過ぎていきます。

そのゴチャゴチャとした空間に、息子のベイブレードや宿題の紙、ロボットの作りかけブロックと混ざり合った小さな色とりどりのレゴたち。さらに図書館で借りてきた大量の本。

我が家は玄関を開けるといきなりリビング、という作りです。

お祝いムード漂う我が家ではありますが、今月は誰も来ないように・・・と祈るばかりです。


世の中では高校生の女の子にどんなものをプレゼントするのだろう?

なんでも持っている彼女に、これ以上「モノ」をあげるのはなんだかちょっと、と思い、モノよりも何か思い出に残る体験がいいな、と思いついたのが

東京都現代美術館で開催されているクリスチャン・ディオール展

「いいなぁ、行ってみたいなぁ」と以前つぶやいていたのを思い出したのです。

「へぇ、クリスチャン・ディオールね。綺麗だろうね。」という軽い気持ちでしたが、それをメインに、東京観光をプレゼントしよう!ということになったのです。(岐阜在住)

行ってきました。久しぶりの東京。久しぶりの娘と二人旅行。

計画したのは、
・K-popとコスメ好きのための「新大久保」めぐり。
・大好きなギターのアニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の聖地「下北沢」
・そしてクリスチャン・ディオール展
・東京駅構内で食べ歩き

この4つです。

結婚当時に住んでいた武蔵小山や、通勤に泣いた新宿、何度も通った品川、職場があった目黒、生地屋さんを経営していた自由が丘、資格試験で何回か訪れた駅などなど。

思い出の駅たちを横目に通過しながら、山手線、総武線、小田急線などを乗り継ぎ、娘のためだけの東京滞在2日間を決行しました。


新大久保にはびっくり。若い人がたくさん。通りから一本入った韓国料理店でチーズタッカルビを食べ過ぎて、その後の食べ歩きができず、コスメショップ内の混雑ぶりにもアップアップ。

何十年ぶりかの下北沢は近代的な駅になっていてびっくり。駅前は工事中の箇所もありましたが、スーツケースをガラガラと引きづりながらも、路地の魅力的なお店に目移り。

「ぼっち・ざ・ろっく」ってご存知ですか?私も娘に言われ全部見ました。今どきの言葉がたくさん出てきてかなり学べます。と言っている自分が「おばさん」だなぁと感じますが、純粋に面白く感動場面もあって爽快。オススメです。

ギターのやりすぎで手がカエルのようになりつつある娘は、このアニメの大ファン。話に出てくるライブハウスや通りが下北沢に実際にあるのです。

娘のようなファンの子たちが同じように写真を撮っていました。見知らぬ人同士、お互い撮りあったりして、微笑ましい。
こういうの、いいな。


さて、お目当てのクリスチャン・ディオール展。実は数週間前に予約を試みましたが、完売で予約できず。当日券で大丈夫でしょ。と思っていたのが甘かった。

なんと10時オープンのところ、8時に行っても大行列!土日は10時には当日券が完売という大人気ぶり。それをTwitterで知ったのは前日。

どうしよう・・・と娘は泣きそうに。
申し訳なさでいっぱいになった私は、一生懸命ホームページを読みました。(最初からそうすればいいのに)

そこで見つけた言葉に涙が出そうでした。

高校生は無料

ということは、もしかして、私は入れなくても娘だけでも入れる!ということか??

何度も何度も確認して、それが正しい理解だと分かった時、ホッとしました。
わざわざ岐阜から出てきた可哀想な母娘。16歳の誕生日が娘にとって残念な記憶にならなくて本当によかった。

ということで、当日は行列に並び、娘は10時の回に入ることができました。私はというと、美術館の売店で以前から気になっていた岡本太郎の「自分の中に毒を持て」を発見。

周りがクリスチャン・ディオールグッズを買い漁っているところ、岡本太郎の真っ赤な表紙の本を一冊、ニヤニヤしながらレジに差し出す私。

静かにオープンしたてのカフェで、熱い文章を読むという至福のひとときを過ごすことができたのでした。

それにしてもクリスチャン・ディオール展。すごいですね。

ニューヨークでもロンドンでも完売、大行列だったと当日に知るという大失態。娘の興味がその世代の興味であったという事実を後から知ることになりました。

内容は素晴らしく、2時間弱かけて出てきた娘は大興奮でした。表現としてのファッションだけでなく、その中にある歴史や思考など、大きな感動を得られたようです。

一緒にその感動を味わえたら良かったのだけど、おかーさんは岡本太郎の熱い言葉に温められていたので大丈夫。

才能なんてないほうがいい。才能なんて勝手にしやがれだ。才能のある者だけがこの世で偉いんじゃない。

岡本太郎

娘の止まらない話と笑顔にさらに癒され、最後の目的地、東京駅へと向かいました。

東京駅ではしっかりお互い腕を組み歩きました。
人混みに酔い始めて、ふらふらの二人。

たどり着いたのはなんと、またしても韓国料理店。

前日に気持ち悪くなるほど食べて懲りたはずなのに・・・食べ盛りの娘は「これが一番美味しいかも!」と満面の笑み。

私は、付いていたお茶をすするだけでもうお腹いっぱい。

さらにシュークリームとパンを買い込んで新幹線へ。

今どきの女子高生が何を求めているか、少しでも参考になりましたら幸いです。



娘は「今どきの」という言葉を嫌います。「女子高生」とひとくくりにされるのも嫌いです。確かに娘は「一般的」な高校生とは言えません。

でも、いつの時代も「食べ盛り」はその年代であり、世界の流行に敏感なのもその年代であり・・・

娘の誕生日旅行は私にとっても、良い体験となりました。
次回は自分の思い出めぐりをしながら訪れたいな。自分なら、どこに行きたいかな。

と考えて思い描いたのは会いたい人の顔ばかり。場所じゃないな。人だな。

サポート頂けたら嬉しいです!自分の世界をどんどん広げ、シェアしていきたいです。コツコツ階段を登り続け、人生を楽しみ尽くします。