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人に迷惑をかけてはいけません 【今日学んだこと】10/18/2020

Photo by seiko 公園の空気

迷惑をかけるということ

朝日新聞、オピニオン&フォーラム 声にて。

私も子供の頃、「人に迷惑をかけてはいけません」と育てられた。人に申し訳ないからであり、人への配慮と思ってきた。(朝日新聞 2020・10・18)

そうそう、人に迷惑はかけないように。そうやって言われてきたし、それが当たり前だと思っていたし、疑いもしませんでした。

しかし、数年前に行ったインドで聞いた。「人は迷惑をかけるものだから許しなさいと教えられると。」
「私は迷惑をかけないから、あなたからもかけられたくない」そんな社会は暮らしやすいだろうか。

いえ、暮らしにくいです。

そう気づいたのは息子が生まれてから。子どもが子どもらしいのはすごくいいことだと思っていたけど、それが外に出ると、たくさんの人がいる社会に出ると、自分が変わってしまいます。

迷惑だから、やめなさい!と、ついつい言ってしまう。世間体もあったかもしれない。でも、明らかに迷惑行為。と信じて逐一息子の行動にイライラしていました。

大声を出す、走り回る、わざと人にぶつかる、ちょっかいを出す、イタズラをする。

そんなことが当たり前の息子が、家では怒られないのに、外に出ると「お母さんが別人」になって怒りだす。

2年前にイギリスへ旅行に行った時、「楽な」空気を感じました。息子がご機嫌過ぎて大騒ぎしていても、人通りの多い道路で獣のマネをして練り歩いているときも、周りの大人の多くはニコニコ。

謝る私に「子どもが迷惑をかけるのは当たり前」、「これが子どもだ」「これが男の子だ」と何度となく声をかけてくれました。

外国だから、日本だから、とかそういうことではないかもしれないけれど、気持ちがすごく楽だったのを覚えています。

ホームセンターなどにも「お子さんが走り回るのは危険です。しっかり手をつないで……」などと表示があるにもかかわらず、裸足で走り回る息子。

追いかけても追いつかない。手をつないでって言われても……ムリ!と何度も心で叫びました。

解決策は、もう連れて行かない。これしかない。そういう時期はいっときだから。

人が迷惑をかけるのは当たり前。お互いさま。生まれてから誰にも迷惑をかけずに成長した大人なんて誰もいない。という意識が社会に広がれば、気持ちが楽になる人々はたくさんいると思います。

迷惑をかけてはいけません、と育てられたら、迷惑を許せない大人になってしまう。人様に迷惑をかけない大人になってほしいのではなく、人の迷惑を許せる寛大な心を持った大人になってほしい。

今では息子に「迷惑だから」とは言いません。「大きな声を出すと、みんなが聞こえないよ」など具体的に話すようにしています。

親の言葉でその子供は育ちます。「迷惑」という言葉を連発しないように気をつけないと。それでも迷惑行為は治りませんが。
あ、やっぱりまだ心の中では「迷惑」と思ってしまう母です。

親が子どもの自由な振る舞いを放任するのとはちょっと次元が違う話。道路に飛び出したら思い切り怒るし、明らかに誰かを傷つけるようなことをしたら、相手に謝ることと本人になぜそれがいけないか、話し合うのは親の責任。

他人に迷惑をかけないのが当たり前、の雰囲気ただよう世の中でも、子どもが子どもらしくいられる環境をなるべくたくさん見つけられるよう、母はまたママ友とお茶をして情報収集に努めるのです。ほんと、これ大事。

肩書き

食卓にて。
息子の「〇〇ちゃんのお父さんはドクターなんだって。」というセリフから始まりました。私や娘が好き勝手に話を盛り上げます。

「へー。うちのお父さんはエンジニアだね。あ、車を治すお医者さんか。」

「お母さんはアーティストがいいな!」

「お姉ちゃんはイラストレーターでギタリストでユーチューバー!」

皆、気ままに肩書きを作って楽しんでいたら、息子が自分の肩書きを思いつきました。

「で、僕はレゴマン!」(レゴをやるヒーロー?)

なるほど。かっこいいね。

生まれて5年しか経っていないけれど、ずいぶん長いことレゴ熱は冷めません。これはひとえに、私が「他人に迷惑をかけないよう」外に連れ出すのを怖がって、インドア派に仕立てようと企てた結果なのかもしれない。

そうじゃないことを祈ります。

が、本当は外で思い切り遊ばせたいけど、シミが増える、疲れる、暑い、寒い、、、という自分勝手な理由が一番大きい。

息子に迷惑をかけている母なのでした。

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