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【菅家一郎】国政インタビュー

 震災・原発事故から9年以上が経つが、県内の復興は道半ばだ。しかし、そのことが忘れ去られかねない事態が世の中を覆っている。新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的な感染者数・死者数の増大を招いているだけでなく、経済活動に大打撃を与えている。福島4区選出の菅家一郎復興副大臣(64、3期、自民党)に現状と課題を聞いた。

 ――昨年9月、第4次安倍・第2次改造内閣発足に伴い復興副大臣に就任されました。

 「平成3年に会津若松市議会議員に初当選して以来、おかげ様で政治活動満30年を迎えました。この間、会津若松市長時代の平成23年3月11日に発生した東日本大震災とその後の原発事故では、大熊町の避難者受け入れをはじめ、放射能汚染に起因する風評被害対策など、非常事態下で陣頭指揮を取った経験は私にとってかけがえのない財産となり、復興を成し遂げることこそ私の政治的使命であると、あらためて決意した機会ともなりました。

 環境大臣政務官時代は、中間貯蔵施設問題や汚染土壌問題など本県の復興加速化に尽力させていただきましたが、この度の復興副大臣の拝命は、私にとって本県復興に大きく寄与できる役職であり、まさに天命であると深く感謝しております。これまでご支援・ご協力していただいた方々に今こそ報いる時であり、強い決意で取り組む所存です。

 震災から10年目となる本年度は復興庁設置法の最終年度ですが、復興副大臣として被災地の切実な要望を踏まえ、基本方針の中に新たに10年間、設置を延長する旨を盛り込むなど、本県復興のお役に立てたことを嬉しく思っています。復興庁関連法案は今国会で成立の運びとなりますので、確実な通過に向け引き続き尽力する考えです。

 また、本年度は復興・創生期間の最終年度でもありますが、復興庁として、復興関連道路や公共事業をはじめとした本県に関する復興事業予算はすべて確保させていただきました。本県は未だに原発事故の収束には至っておらず、風評被害払拭など諸問題が山積しています。こうした課題にしっかりと向き合い、被災地の皆様方のご期待に沿えるよう鋭意努めてまいります」

 ――新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかりません。国民の不安払拭のため、国として何をなすべきか。

 「中国・湖北省武漢から発生し、今や世界中に蔓延している新型コロナウイルスに対し、政府では4月7日に7都府県を対象に緊急事態宣言を発令し、同16日には全国に拡大させるなど未だ予断を許さない事態となっています。この間、不要不急の外出を控える要請をはじめ、いわゆる『3密』の回避など総力戦で感染拡大防止策を講じています。

 政府では新型コロナウイルスの早期収束を基本方針に据え、国民の命と暮らしを守ることを最優先に位置付け、懸命に取り組んでいるものと認識しています。今後も『自分も感染者かもしれない』との前提で、一人ひとりが危機感を持った行動に徹する必要があります。国民、県民の皆様には新型コロナウイルス対策の重要性をご理解いただき、重ねてご協力をお願い致します。

 現在、院内感染による医師・看護師等の離脱をはじめ、重症者に不可欠な人工呼吸器が慢性的に不足するなど医療崩壊が懸念されています。医療崩壊を回避することは喫緊の課題であり、新型コロナウイルス対策の大きな柱と言っても過言ではありません。政府では、医療機関向けのマスク、防護服、消毒液の確保に全力を挙げ、円滑な供給を図ることで医療崩壊を防ぐべく、さまざまな対策を実施しています。

 私自身、選挙区内の医療機関からマスクや消毒液が不足しているという切迫した声が寄せられる中、知人である㈱アジア通信社の徐静波社長から『会津での感染予防に役立ててほしい』とマスクの無償提供の申し出があり、マスクを会津若松商工会議所に1万枚、会津喜多方商工会議所に6000枚、さらにゴム手袋の贈呈の橋渡しをさせていただきました。今後も私の培ってきたネットワークを駆使しながら少しでもお役に立てるようしっかり取り組んでまいります。

 もう一つ深刻な問題として地域経済へのダメージが挙げられます。特に観光・飲食業は2月下旬以降、売上が激減し、倒産危機に瀕する事業所が増大しています。政府では日本政策金融公庫を窓口とした無利子・無担保の融資をはじめ、持続化給付金、雇用調整助成金、所得制限なしの全国民一律10万円の給付金など実効性が期待される経済対策を打ち出しています。中小零細企業、個人事業主の救済のためにも、手続きの簡略化を含め迅速に対応すべきと強く考えています。政府、県、地方自治体が連携し、経済対策をスピーディーに実行することがとにかく重要だと思います」

 ――選挙区である会津地方は、昨年の台風19号襲来、記録的暖冬、さらには新型コロナウイルスの影響で基幹産業の観光業を中心に厳しい状況に陥っています。

 「台風19号では、只見川における田子倉ダム、阿賀川における大川ダム、湯川における東山ダムの懸命な事前放流が奏功し、幸いにも大きな被害発生は免れました。関係各位にはあらためて感謝申し上げます。一方で、中通りや浜通りの甚大な被害が大きく報じられたことで、会津地方では観光業を中心に風評被害に見舞われるなど、地域経済に暗い影を落としました。

 さらに、その後の記録的暖冬により、除雪を担う地元建設業者は出動回数が激減、スキー場もオープンできない状況が続き、その影響は関連産業の宿泊業にも及ぶなど、多くの事業所で厳しい経営を余儀なくされました。そこに、新型コロナウイルス感染拡大による自粛がさらなる追い打ちをかけるなど、看過できない状況にあります。

 現在、新型コロナウイルス対策の一環として、特に観光業・飲食業の活性化を大きな柱とする大規模な経済対策が国会で審議され、今後予算化される見通しです。持続可能な経営に資する支援策を通じて、ぜひバックアップさせていただきたいと考えます。また、1兆円規模の市町村への交付金も議論しているので、各自治体も知恵を絞りながら地域の実情を踏まえた支援策を展開していただきたいと思います。

 一方、降雪・積雪不足による除雪事業対策としては、地元の市町村長に対し、余った除雪予算を翌年に繰り越すのではなく、公共事業の予算として地元建設業者に還元するよう助言しています」

 ――最後に県民へメッセージを。

 「県民の皆様におかれましては、新型コロナウイルスに『感染しない、感染させない』を合言葉に危機意識を共有しながらご自分の身を守っていただきたいと切に願います。

 感染拡大に伴い、県民の皆様には外出自粛であったり、休業による経済的ダメージを余儀なくされたり、大変厳しい状況に置かれていると思われますが、30年の政治活動で培った人脈やネットワークをフル活用して、本県復興はもちろん新型コロナウイルス対策に貢献すべく、全身全霊を懸け取り組んでまいります」


 かんけ・いちろう 1955年生まれ。会津高校、早稲田大学社会科学部卒。会津若松市議、福島県議、会津若松市長を経て2012年の衆院選で初当選。環境大臣政務官などを歴任。


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