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「大腿直筋の反回頭(機能解剖篇)」#書く習慣137

日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。

今日は股関節痛の患者さんが多くいました。その中で、股関節の前方インピンジメントの主原因と言われる大腿直筋の反回頭について今日はまとめて行きたいと思います。



大腿直筋起始部の機能解剖

大腿直筋の起始部を見てみると基本的には2頭存在するのが分かります。

一つ目は下前腸骨棘から起始する直頭と呼ばれる部位です。
こちらはいわゆる教科書的に習う大腿直筋の付着部になります。

そしてもう一つは臼蓋上溝から起始する反回頭になります。
こちらは大腿筋膜張筋の深層に存在するため、表層からは確認することができません。


肢位による筋の働き

また関節屈曲伸展0°では、直頭が大腿骨軸に対して平行になり、反転頭は大腿骨軸に対して直角になります。

対して股関節屈曲90°では、直頭が大腿骨軸に対して直角になり、反転頭は大腿骨軸に対して平行になります。

これらの事実から大腿骨軸に対して平行の方が働きやすく、直角に折れ曲がった方が働きにくくなることは想像できます。

よって0°の時は大腿直筋の直頭が働きやすく、90°の時は反転頭が働きやすく、45°の時は両者が均等の力が働いていることが推測できます。

股関節インピンジメントで反回頭が狙われるのは、このあたりの機能解剖が関与しているものと思われます。


Third Headの存在

また厳密にお伝えすれば大腿直筋には小臀筋と連続するThird  Headも存在します。
小臀筋と連続するということは、小臀筋に連結する中殿筋や梨状筋、関節包上方の硬さも大腿直筋の硬さに影響を与える可能性があります。

リハビリの際にはこの部分を全体的に柔らかく保つ必要性があるといえます。