好きな映画が週刊誌のエロゴシップになってて気分を損ねた話/ ナミビアの砂漠 感想
この前、コンビニの雑誌コーナーで暇を潰している時、ひとつの週刊誌に目がいってしまった。
私も詳しくはないのだけれど、その週刊誌はお色気ネタを取り扱っていて、毎週の芸能界のお色気ゴシップを大量に掲載しているらしい。
「河合優美 ピンク乳首と放尿姿解禁」
見出しにはピンクの字でこんな風に書いてあったと思う。
その見出しの気持ち悪さに私は雑誌を開く気も起きなかったのだけれど、
多分というか確定で今公開中の"ナミビアの砂漠"で河合優美が上裸や放尿シーンを演じたことについて書かれているのだろう。
ちなみに河合優美とは、人気ドラマ "不適切にも程がある"で一世を風靡した若手実力派女優で、私も大好きな女優さんだ。
私はこの前映画館でナミビアの砂漠を観たのだけれど、私の拙い語彙で表すことに申し訳なさを覚えるほどのえも言われぬ映画だった。
本当に素晴らしかった。
主演の河合優美と山中監督の才能の暴力。そして音楽の効果的な使い方。
それらによって表現される主人公カナのナミビアの砂漠のように乾ききった、カラッカラの心が抱える闇が非常に印象的な映画だ。
まだご覧になられていない方には是非とも映画館まで足を運んで欲しい。
まあともかく素晴らしい映画だったのだけれど、それがあのエロ本とも呼ばれる週刊誌に、性やエロスのジャンルとして消費されるのがどうも私としては納得いかない。怒りすら感じている。
アダルトビデオだったり、エロ漫画だったり、そもそも性的なシーンが前提で売り出しているものが性的に宣伝され、性的に消費されるのは当たり前のことだと思う。
しかしこの映画の制作側は全くエロの売り出しはしていないし、もちろん、R18指定のものでもない。そもそも性的なシーンもほとんど無い。
親とでも観られるレベルだと個人的に思っている。
それを勝手に第三者がたった1部の性的シーンだけ切り取って河合優美があたかもフルヌード写真集を出したかのように書くのはどうかと思ってしまう。
アダルトビデオだったり、エロ漫画だったり、そもそも性的なシーンが前提で売り出しているものが性的に宣伝され、性的に消費されるのは当たり前のことだと思う。
ただ、一部の性的なシーンはあくまで表現のひとつだというような映画までが、そういう風に無関係の第三者に売り出され、消費されるのは少し悲しいと私は思ってしまった。
こんな意見をTwitterに投稿したら、「世間知らずの高校生が偉そうに」とか「釣り記事みたいなもんだろ」とか、炎上しそうだから私はnoteで吠えておきます。
そういえば、その週刊誌をおじさんがペラペラと立ち読みして、河合優美について書かれたページを読んでいるのをこっそりと横目で見ていた。
そのおじさんが河合優美のピンク乳首と放尿シーンのためにナミビアの砂漠を観たとしよう。
そこで、観た後の感想が「河合優美エロかったな」だけだったら、
私はもうエロで釣ろうとする週刊誌を許します。
ちなみに私は、 "おじさんはナミビアの砂漠を観て、河合優美のヌードを忘れるくらい、河合優美と山中監督の才能の暴力にフルボッコにされる" に 自分の進学費用を賭けたいと思います。