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【性格曼陀羅】(4)配置の法則 2/3(不規則性の法則)


2.不規則性の法則

 ”不規則性の法則”は、特性の配置が不規則性の程度によって決まるというものです。”不規則性”は、「ランダム性」や「無秩序さ」などと言い換えることができますが、要するに「予測のしづらさ」のことです。なので、不規則的であるということは、予測がしづらいということであり、それは同じ特性であっても人によって違いが出やすい、ということでもあります。この法則は、様式と各様式内の特性に適用されます。

様式でも各様式内の特性でも、上にいくほど不規則的で、下にいくほど規則的になります。

 不規則的な様式は、予測がしづらく、同じ特性であっても人によって違いが出やすいので、性格の分類を考える上での優先順位は低くなりがちです。優先順位がつけられることは、性格全体を考える上では都合がいいのですが、そうしたこと以外にも不規則的な要素は役割があります。
 例えば、最も不規則的な”行動様式”の特徴として、集団全体の価値観に強く作用するということが挙げられます。なので、ある特定の視点から性格を見ようとしたときに、より重要な要素になる場合があります。
 また、逆説的ではあるのですが、それらの特性が存在することで、別の特性とそれらの特性を誤って混同することがなくなるという利点もあります。実際、ほかの性格理論では、これらの特性を別の特性と一緒にして考えている場合が多くあります。こうしたことは、不規則的で、同じ特性であっても人によって違いが出やすいということと関係していると考えられます。(この理論を構成する特性とほかの性格理論を構成する特性との違いについては別の記事で詳しく書きます。)
 不規則的であることは規則的であることに比べてメリットがわかりにくいと思いますが、不規則的であるということは、それだけ多様な可能性を持っているということでもあります。不規則性の程度によって優劣がつけられるものではなく、どちらも必要不可欠な要素であり、それぞれ重要な役割を果たしています。ほかの法則と同様に、この理論においては、不規則的な特性と規則的な特性が相互に影響を与えあい、必要に応じてうまく組み合わさることが大切だといえます。

次の記事では、“相対性の法則”について書きます。

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