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試合を内側から見て

こんにちは。2年生の神山裕太です。
 いきなりですが、皆さんは『ジャッジ』について不満を持ったことがあるでしょうか。私は幾度となくあります。応援しているFC東京がどう見てもハンドを獲得したのにレフェリーがPK
スポットを差さなかったり、プレミアリーグで1mm程度のオフサイドを取られたり人それぞれ思うところはあると思います。特にフットボールをやったことある人であるならば自分がプレーしててる際の不満は数え切れないと思います。『ハンドだろ!アフターだろ!それはファールだろ!』私も口の出してしまいますし皆さんも自覚はあるかと思います。でももし自分がレフェリーになったら、そのファールって客観的に見て正しい判断ができますか?と聞かれたならばどう思いますか。今日はそんな『レフェリング』から実際のプレーに活かせる話をしたいと思います。
 実は題材を書くくきっかけが昨日ありました。東京都2部の成城大学VS武蔵大学の主審を務めたことです。しかも人生で初めて公式戦で笛を吹き、さらには自チームの試合で、ピッチには4年生や3年生の先輩がいる中でのレフェリーです。困難を極めます。
 しかし徐々に試合が進むにつれ、今まで知らなかった気づきがいくつかありました。その中で主審目線から、サッカーをプレーする際に有効な話を共有したいと思います。まずは両チームの精神状態によるプレーの質です。試合序盤は当然0-0なので両チーム焦りなどは感じられません。プレスもそこそこのスピード、集中力もない場面も感じ取れました。声もあまり出ていなかったように感じます。しかし、成城が得点すると武蔵の選手の質は上がったように見えました。パスにもスピードが感じられプレススピードも向上してました。しかし焦りからかアフターや足をかける場面は急増します。故にレフェリングが少し難しくなります。その後成城が2点目を決めるとより顕著に現れます。武蔵の選手はどうにかして一点を獲りたいという気持ちとこれ以上失点はできないという心情からプレーの強度が良くも悪くも増してきます。それに対抗するように成城側にもアフターが増えていきました。結論から述べると、ここで成城は相手の悪い強度に合わせず、適度な『間』を心がけてディフェンスするべきだったとピッチ内から見て感じました。トップチームに絡めない私が偉そうにと思うかもしれませんが、あくまでもジャッジ目線から見た俯瞰的な分析ということで理解してください笑 武蔵のアフターギリギリのボール奪取に影響され成城もプレスを強めていったことは悪くはないですが、全員が前向きに行き過ぎてしまったことで選手間の距離が前方向に圧縮されてしまいます。その結果、背後にボールを蹴られたあと、ペナルティーアーク付近を使われることが多くなりました。また、ラインを上げて前向きになったとしてもサイドバックの背後にボールが入ってしまうのでせっかくのハイプレスも台無しになってしまいます。さらにファールの回数も増えます。その結果、相手のフリーキックから1失点してしまいます。その後相手にリズムを乗られ、成城側の守備は修正できないまま2失点、終了間際でFKから失点し逆転負けを喫してしまいました。
 勿論、プレー強度を高め、プレスを早くすることはボール奪取の確率を高める。しかし、剥がされると一気にピンチを招くリスクもある。相手が焦ってガツガツきていてかつ2点リードしている状況ならそのリスクを取らず、間を開けながら局面局面で厳しいプレッシングを行う方が試合を有利に運べたと感じました。
 このように、主審から見たプレスの強度という観点から自分なりに分析をしてみました。チームでの戦い方は選手が決めることではないですが試合中に意識を統一し、より戦術的な修正はどのレベルのフットボールでも重要だと思います。個々の意識がバラバラだと感情的な動きになってしまい、組織的ではなくなってしまいます。また、無意味なファールでPK を献上してしまうかもしれません。
 どうだったでしょうか。僕個人では理解はしていたことでしたが、主審という別の視点からみてより実感したことでした。皆さんの守備に対する考え方に良い影響を与えればなと思います。

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