見出し画像

No.って何の略? ~語彙力倍増法~

 この文章を読んでいるそこのあなた、ラッキーです。どうにかして語彙力をつけたいのですね。それでは倍増間違いなしの方法を教えましょう。で、本題に入る前に早速クイズです。
 英語の授業でプリントを配られると、クラス、番号、名前を書く欄があります。生徒の皆さんは今までに何回も記入してきたはず。で、ふと疑問に思ったことはないですか。
 「Class やNameの後ろにはピリオドがないのに、Noの後にはなぜピリオドがあるの?」
 Mr.はmisterの略。ではNo.は何の略だろう。numberの略ならNu.になるはず。でもプリントにはNo.って書いてあるしなあ。何だかよくわからないけど、とりあえず覚えるしかないか。」
 ここで正解。No.は英語のnumberの略ではなく、ラテン語のnumeroの略なのです。
 ラテン語は現在のフランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ルーマニア語などのもとになっていて、ルネサンス時代にはイングランドに住む文人たちがラテン語の多くの単語を英語に借用し、その結果ラテン語は英語の語彙にも大きな影響を及ぼしています。日常生活でよく使われる英単語も、元をたどればラテン語が見えてくることが多いのです。だからラテン語を学ぶことは英語の語彙力を増やすのに大いに助けになるのです。
 この本では世界史、政治、宗教、科学、現代、日本という六つのテーマを通じて、各テーマにラテン語がどのように関わっているのかが解説されています。「へえ、これもラテン語なんだ」という気づきがたくさんあります。とりわけ興味深いのが著者のラテン語さんがラテン語に興味を持ったのが高校二年生の時だったということです、今回の本は読み物として興味深い内容です。是非読んで、あなたの語彙力を増やしてください。そしてことばを使ってください。私はラテン語は全くの初心者ですが、成城合唱団でラテン語で書かれたレクイエムをナントカ歌えるようになりましたよ。どうやったかって? Practice makes perfect.
繰り返し繰り返し脳のひだに刻み込むのです。

おすすめ図書
『世界はラテン語でできている』ラテン語さん SB Creative

筆者:英語科教諭