今この瞬間に生きている水
「風の谷」とそう適切に名付けられた場所には
風が気持ちよく通り、水が豊かに流れていた
森の中で思い思いに蠢く様々な生き物が共生し
「多様性とは可能性」(C・W・ニコル)という言葉を実感させてくれる場
生命力に満ち満ちた緑を讃えた葉っぱたちが光に照らされて輝いている
少しずつ見える位置が変わっていくことでそれが木洩れ陽へと変化し
陽光が優しくきらきらと目に映る
それを見上げている意識と身体は水の流れと共にある
ライフジャケットに身を包んで流れに身を委ね
冷たくて澄んだ水にたゆたうことで呼吸が整っていく
緩んだ身体と意識
水流と「自分」の境界線が薄れていく
身体の中を流れる川とこの身体を運んでいる川の水が共鳴しているかのよう
今この瞬間に生きている水
流れに逆らう形で川と岩場を歩いて上流へと向かう
目の前に現れたのはどこかに通じている神聖な入り口かの如くの滝
生命の最初のゆりかごである子宮のことがふとよぎった
特有の地形が人を透き通らせるような風を生み出している
刻々と形を変え続ける滝を描き終え流れてきた豊かな水に
我が身と心を清めていただいた
源流を知るということ
水の豊かな循環を知るということ
自分の内に流れる川を感じるということ
そこから祈りが自然と湧き上がってくる
あらゆるもののなかに生命が息づいている世界を感じ
自分が何者であるかについての大切な理解を体験的に深めていく
そして、自分にも与えられた生命が贈り物だということを思い出し
相互依存に基づいた生命の循環への責任を感じ決意を新たにする
アースマンシップ@奥多摩
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