「LMC制度(My助産師制度)」を知っていますか?
「My助産師制度」はニュージーランドなどにある法制度です。妊娠がわかると女性は病院よりも先に自分専属の助産師「My助産師」を決めるそうです。専属助産師は妊娠から分娩、育児まで常に寄り添い、”伴走者”として妊婦をサポートします。兵庫県丹波篠山市が全国に先駆けて1人の助産師が継続して妊産婦に寄り添い続ける「My助産師制度」について、8月から「My助産師ケアセンター」(仮称)を立ち上げ、市内全ての妊産婦を対象にする方針を固めています。
赤ちゃんとお母さん(メインの保護者)をしっかりサポートしてあげられているということが本当に成熟した豊かな社会の一つの証です。「子に過ぎたる宝なし」という言葉にあるように、生まれてくる赤ちゃんは宝です。そして、その赤ちゃんを包む存在であるお母さんたちを社会が優しさで包まなくてはなりません。
私自身に子供はいませんが、アメリカの大学院で発達心理学・人間の成長のクラスを受け持って教えていた経験と出産前後に起こるトラウマの様相とそのヒーリングについて学んだことからも、赤ちゃんとお母さんへの手厚いサポートが存在することが健全な社会の一つの要件であり、子供たちがより心身健康な状態で順調に成長していけるための大切な基礎となると理解しています。
「My助産師制度」によって、出産の安全性の向上、医療費の削減、少子化の改善、お母さんのメンタルヘルスの改善、虐待や自死や犯罪の減少などの効果も期待出来ます。
日本での「My助産師制度」実現のためには、助産師の実践能力の向上のための教育体制の充実、助産師の地位の向上や医療現場や地域自治体との開かれた連携関係の構築などの課題にも取り組んでいかなければなりませんが、まずはこの制度の存在を官民含め多くの方々に知っていただき、実現に向けての話し合いが促進出来たらという気持ちとこの丹波篠山市による取り組みが一つの地域のもので終わらずに全国に広がっていきますようにという願いを込めてChange.orgで署名を募ることにしました。是非ご協力ください!
(追記)
キャンペーンはやや低調でしたが、その過程で合流させて頂いた出産ケア政策会議の皆さんと制度化を目指しています。
出産ケア政策会議では、My 助産師制度に代わり、LMC制度という言葉を使用しています。LMCとはLead Maternity Carerの略で、「マタニティ継続ケア担当責任者」とも呼んでいます。産前、出産、産後の継続ケアの担い手が育成され、すべてのお母さんが望めばその継続ケアを受けられることを実現する制度という点を強調する意味でもLMC制度という呼称を使用するようになりました。
ご縁のあった同じ人と何度もやり取りを重ねることで信頼関係が築かれ、そこから生まれた安心感に包まれて出産し、産後もその関係に支えられて子育てができるというサポートをすべてのお母さんが得られるシステム。元々、これは日本に古来より伝えられてきた受け継がれるべき伝統なのです。
再追記: 2022年に共同代表が3人から1人体制になった時点で、私は出産ケア政策会議を離れました。引き続き制度実現のために、できることをやっていく所存です。
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