とことんやった先にしか「何とかなる」はない。Vol.13

出世街道に入った自分は経営学などいろいろなことをおしえてもらっていた。在庫を減らすとキャッシュが増え、、、、今でこそはっきりわかるけど当時はチンプンカンプン。とりあえず在庫 減らせば良いんでしょ？と考えバックヤードの冷凍庫も冷蔵庫も一般食品も在庫を強引にゼロにした。きっとスーパーで働いてる人はわかるとおもうけど冷凍食品も冷蔵商品も一般食品もバックヤードの在庫ゼロにするって絶対できないとおもうでしょ？でもそういうこともできる力が身に付いていた。


そこにスーパーでおなじみの100円均一、88円均一、冷凍食品4割引が立て続けに入る週がやってきた。前年比も大きくのばしてるし バックヤードはガラ空きなので大量発注で勝負に出た。


ところが100円均一の日に天気予報が大きく外れて大雨で大量に在庫が残った。翌々日には88円均一だから そっちで取り返すと思っていたら台風が大きく進路を変え 売り出しが不発で大量在庫。でもその翌日の週末には冷凍食品4割引だからそこで取り返す！ と思っていたらまさかの本部のミスでチラシが入らない！！！！
とんでもない事態がおこった。


土曜日の午前中にお客様の来店が少ないことに気づき、チラシが入ってないことを知った。入らないどころか作成もしていなかった。


バックヤードには冷凍庫に入りきらない冷凍食品の在庫がカゴ車80台ぐらいと冷蔵庫に入りきらないデイリー商品の在庫がカゴ車100台の山。ありったけの保冷剤と保冷シートと氷で1日か2日はとけずにすむとふんだ。他のライバルスーパーで大量の氷と保冷剤などを買ってなんとか乗り切ろうと必死だった。


賞味期限と商品がとけるのを考えると勝負は待ったなしの2日。土曜の午後と日曜と平日月曜日の午前中。


策を考えてるヒマがなかった自分は手書きでチラシを書きはじめた。あとはコピー。お店のコピー機は割高すぎるけどそんなことを言ってられない。それでは足らないから何とかすぐ刷ってくれる印刷屋さんをみつけた。デザイン的にありえない手書きのチラシが刷られていく。


刷っていく途中でどうやって配るんだ？とふと思った笑。思考は止まってるからいきあたりばったりだ。こうなったら力技 人海戦術 必殺「自分たちで配りにいく」をだすしかなかった。


家のポスト、駅、道端、公園、保育園、幼稚園、図書館。これが意外と受け取ってもらえない。受け取ってもらえないことが続くと自分はダメ人間じゃないのか？とさえ思いはじめる。そして遂にコツを掴む。信号待ちの人だと受け取ってもらえることに気づいた。まるで なりふり構わないナンパだ。おまわりさんを敵にまわし、図書館も敵にまわし、駅員さんも敵にまわしながらアルバイトの学生らと一心不乱に配り続けた。


そして100円ショップで小さなメガホンをみつけてしまった笑。正直 100円のメガホンなら大声だしても変わらないが 見てくれ的にメガホンを持った方がサマになるから購入した。必殺技の自腹で5個 購入。自転車にのってメガホン。選挙ってこんな気分なんだろうな？とおもった。間違いなく当選確実だ。そしておまわりさんに捕まるのも時間の問題だ😅


店に戻るとレジは大行列で各レジ50人ぐらい並んでいた。何せ冷凍食品5割引、日配品50円均一。そしてチラシ配りの効果もあと押しして在庫は土曜日中に冷凍庫と冷蔵庫に半分おさまった。日曜日に冷蔵庫と冷凍庫に全部おさまり、売場では欠品がはじまった。月曜日の午前中は商品がないのでお客様からクレームになった。ピンチが最高の結果となりこの日曜は単日 過去最高売上となった。


喜んでいたのも束の間、土曜日曜 本社が休みの中、警察や鉄道会社、役所からのクレームが留守電に溜まっていた。当然 本社から呼び出しがきた😅


サラリーマンでここまでする必要ってあるのか？
正直ないとおもう。
責任感とかそんなものも正直どうでも良い。
自分のやれることをやった。
ただそれだけだった。


なんてことを 社長の前で言ってみた。。。。どうなったかは言うまでもない笑。社会って結果出してもやり方間違えるとダメだって知った笑。


今 考えると自分がやってることって今も昔もさほど変わらない。地位があるからできるとか 立場が強いから押し切れるとか 自分には関係ないみたいだ。


とことんやった先になんとかなる！というのが この頃から わかってきてどんどん厄介なやつになっていったんだとおもう。


諏訪聖二 房の駅を立ち上げるまで
あと7ヶ月。