ネジを緩める思考実験

頭のネジがぶっ飛んでるなんて表現があるけれど締め直せば元に戻るような雰囲気を匂わせておいて、実は他の部品が破損していたり電気系統が故障していたりすることは往々にしてあるものだから問題の核心はネジの締め具合じゃねぇよとツッコミを入れつつ心の何処かでは常識の枠組みに囚われない自由な生き方に憧れる部分もあって、こうしてネジを緩める方法を模索するうちに何かの弾みで理の外側を覗けやしないかと淡い期待を抱いたものの理外には理外の理があるかもしれないと思い直してネジの有無なんて些細な差異だと気付いた頃には思考は重力の支配を逃れて常識の鎖を擦り抜けるように瑞々しい感覚を帯びたまま言語以前の世界を遊泳し始めましたので、私は随分と愉快な気分になって潮流を見極めることも忘れて波に揺れる思考の帆船に身を委ねてみますと、船が揺れるのに自分が動くまいと構えるから船酔いを起こすのであって揺れることをただそうあれかしと受け入れれば酔うこともなく心地良い一体感を得られることを体感して、なんだそんなことだったのかと肩の荷が下りたところでそもそもネジなんてモノは初めから存在しないから締めることも緩めることも不要だと思い至り、巧妙な比喩表現によって却って思考が縛られていくこともあるのだと痛感して、それは常識に囚われまいと考え自由に憧憬を向けるあまり余計に常識に囚われていく不自由な魂の在り方に似ているから、常識も非常識も自由も不自由も超越したところにある心地良い思考の揺らぎに身を任せて、辿り着いた境地は明鏡止水よりも閑雲野鶴であったことに安堵しました。

#カウントしたら #666字 #一文で完結
#サタン的思考実験 #やってみた #666
#数学がすき
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#拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました
#願わくは貴方の思考が心地良く巡りますように