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風が止む 《詩》

「風が止む」

風が止んで朝が来て
何も無かった様に太陽が昇る

明るい陽が差す場所があれば
影となる場所だって必ずある


色褪せた現実と
逆さまになったままの景色

捨てて来た物 憧れていた事

遠回りし過ぎて来た道のり
全てを知る 

近づいては遠ざかる今

泥だらけの両手

あやふやな期待 
損得 本当に大切な事柄

見逃して来たチャンス
誰かのせい

全てを愛せなかった僕等

改めて誓う真夜中 
夜は朝方 独居房と同等

目に見えない壁 
社会と良心との隔離

それでも描く続きの絵
生きているから

また風が止む 

Photo : Seiji Arita

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