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死角 《詩》

「死角」

ダークな色合いの

スリーピーススーツ

白いカッターシャツに

律儀な模様の 

黒に近い色柄のネクタイ


その先に死角が
存在している事を誰も知らない


静観の構えを持つ曖昧な壁

その角を曲がると

其処にある黒き空白


死角と呼ぶに相応しい

血が脈打っていた

目印と呼べる物は何も無く

ただ地平線が何処までも広がり

空には灰色の雲が時折 
形を変えて流れていた


微かに吹く風は音を持たず 

ひっそりと

僕を待ち構える様に

其処に存在していた


良く目を凝らしみなよ

誰かが僕にそう囁いた

僕は自分の足元に目を向けた

無数の
手榴弾と拳銃と薬莢が転がっていた

そして純粋な狼の足跡を見た

僕が此処に来たのは

初めてでは無い気がした


国境を越えたその先に旗を掲げろ


風向きは徐々に変わり

強く吹き始めた

直ぐ傍にある死角の中で

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