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コミティア130と合同誌と


ーはじめにー

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11月24日、コミティア130が開催されました。スペースへ足を運んでくれた皆さん、ありがとうございました。合同誌のツイートやnoteの記事をファボしてくれた方、感謝しております。
合同誌の内容に関しては、手にしていただいた方それぞれが自由に感じてもらえれば言うことはありません。普通はイベントより先にすることなんですが、ざっくりと掲載順に、ご寄稿頂いた方の出会いと紹介をします。



■黒谷知也さん

私はこの漫画を読んで唸ってしまいました。物語の「豊かさ」はそれに触れた者にも「豊かさ」をもたらします。私はいつも読み終わると、ちょっと微笑んでいます。


初めてのコンタクトは私が黒谷さんのnoteにコメントを書き込んで、その返事を頂いて…というものでした。
その後、黒谷さんがコミティアに参加されるということで、同じく参加していた私は勢い込んでスペースに伺ったのですが、いない…。
いや、実際はいるのだけれども、どう見ても違うっぽい(そのスペースにはサークル名の記述も見当たらず本も置いておらず…、ただ男が一人机に突っ伏して異様な雰囲気を放っていた)。いや、でも…。これが黒谷さんなのかも知れない。体調が優れないのかも…。
勇気を出して突っ伏した男の耳元で「大丈夫ですか?クロタニ(実際の読みはクロヤですが当時は勘違いしていた)さんですか?」と恐る恐る聞くと、男はゆっくり顔を上げ「…は?誰それ?ちげーし」と即答。プチパニックを起こして逃げるように去りました。
実際は単純に私がスペースを間違っていただけのことなんですが、ちゃんと確かめることもなく「今日はお休みされたのだ、そうに違いない。今頃、家のお布団でスヤスヤ寝てるのだ」と都合のいい解釈をして、その日の挨拶と新刊を諦めました。
その後、自らのスペースでワチャワチャと接客などしていたら、男性に声を掛けられて「…うんうん。黒谷さんてこんな感じの人をイメージしてたんだよな~」と内心思ってたら、それがほんとに黒谷さんでした。ビックリしました。
話した内容は覚えていませんが「合同誌やるんで誘ってもいいですか?もしよかったらご連絡だけでもさせて下さい!」と言ったことだけは覚えています。見事に結実したというわけです。

作品集は こちら から。




■ながしまひろみさん

あんまり言葉はいりませんね。ある切り取った瞬間を私達は見て、その前やその後を想像してしまう。描かれている以上の事を読む側に想像させうる作品に出会うことは、私にとって幸運なことです。


ながしまさんはtwitterで作品を見てファンになりました。その後ながしまさんがnoteにも作品を投稿するようになってまもなく、note主催の講演会に招かれるということでそちらに参加しました。
ながしまさんは講演する側で、私はそれを聞きに来た客ですので一方的な出会い方でした。その時はもう一人の漫画家さんも講演されていたのですが、内容は「いかに上手に漫画をビジネスにしていくか」というお話でした。
一方のながしまさんは「一生懸命頑張って自分の好きや大事なことを描いていきたい」という所信表明のようなお話でした。ますますファンになりました。
その後、とあるインタビューで私の漫画を認識してくれていることを知って喜んだりしながらも、会えるなんてことはないなと思っていたのですが、その後のコミティアの私のスペースへわざわざ訪ねて来て下さいました。すごく緊張して「ファンです」といったくらいしか記憶にないです。
それからしばらくして合同誌を作る段階になり、いろんな方にお声がけすることにしたのですが、ながしまさんにはお声を掛けられませんでした。というのも、ちょうどフリーランスでがんばっていくという表明もされていたところで「さすがに今は負担になるかも」と考えたからです。
今回の合同誌を作るにあたり、お声がけしようとした人がたくさんいました。でもその時に、すごくお忙しそうだったり、旅行中であったり、随分と発信がなかったり、という方には「もしかして今は大変かな」という勝手な勘ぐりで連絡を躊躇ったのです。
ながしまさんもそのうちの一人で諦めていたのですが、なんとその後、直接メールがあり(製本に関するちょっとしたご質問でした)その機に乗じてご依頼したところご了承を頂けたのでした。私にとっては奇跡でした。

作品集は こちら から




■イマイマキさん

私にとっては村上かつらさんの初期短編集読んだときくらい衝撃受けました。圧倒的でした。


イマイさんとの出会いは、今とは違う別名でnoteにシニカルな動物擬人化漫画を描かれてた時で「こんなおもろいのに注目されてないのが悔しい!」と酔ったおっさんのような感じでコメントしたのが始まりです(実際その時、ベロベロに酔ったおっさんでした)。
その後コミティアでお会いしてご挨拶してくれて…、本を買ってもらったりこちらが買ったりしてるうちに、アレよと言う間にバズったり連載が始まったり人気者に。
作風が自在で、かわいらしいのも、青年誌の感じも、ガロのアングラな感じも表現できる才能を持った作家さんです。
あと、コミティアで会うとお手紙やらお菓子やらくれて、今回こんなのもらって涙が出そうになりました。個人的なプレゼントでしたが嬉しくて載せます。他のファンの方に戴いたフェルト人形、イラスト、マグネット、お手紙、と同じく宝物と致します。

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連載作品は こちら から




■LIO KIMさん

この人は以前の仕事場で知り合った友人です。漫画を読んでもらえばわかるんですけど物凄くいい漫画を描きます。けれど、今は漫画もそこそこにホテルで働いています。
なぜ、なのかは自分も描くようになったり、漫画でお金をもらうようになったりしてなんとなくわかってはきましたが、それでも、偉そうですが、勿体ないなと思う次第です。
この人が売れて大金持ちになってマンション買って、そこにタダで住まわせてもらうのが私の沢山ある夢の内の一つです。他の夢には、スポーツクラブの月謝を払うことに痛みを感じないくらいに稼げますように、というものもあります。そんな感じです。
あと、今回この人がガッツリ締め切りを破ってくれたおかげで、想定以上の印刷代を支払うことになりました。漫画家にはフェイクの締切を。編集者にとっては当たり前のことかも知れませんが、今回それを教われたこと、感謝してもしきれません。




■笠辺哲さん

もし「バニーズほか」を読んでいないのなら、それは幸せなことです。知らなかった面白い本を発見したときほど幸福な瞬間はありません。


かなり以前の仕事場で短期間ですがとてもお世話になった先輩です。当時、上記の「バニーズほか」を読んで打ちのめされましたし、これまで遠い存在だった凄いと思える漫画家で実際に目の当たりにした初めての人になります。
でも、そう思わせない気さくさがあって大好きな先輩です。時にエキセントリックであり時に超常識人。とても美味い麻婆豆腐も作れるし、今は魚もさばけるようです。面白いエピソードも沢山ありますが、漫画のネタに取っておきます。
随分とご無沙汰しており、今回の合同誌のタイミングで久しぶりに連絡を取りました。快く参加を引き受けて下さり、新作を描き下ろしてくれました。笠辺哲ファン(私も含め)の皆さんと手を取りあって踊りまくりたい気分です。
そもそもコミティアを知る切っ掛け、また参加する切っ掛けを与えてくれたのも笠辺さんでした。今回お呼びできたことが本当に嬉しいし、受けてくれたこと、感謝してもしきれません。




ー最後にー

動物と人@2

コミティア当日は朝から遅刻気味で、ともに売り子をするLIO KIMも遅刻。会場入りしたのは入場時間ギリギリ、設営準備をバタバタと忙しく行い、間もなくコミティア130が開幕しました。
これまでの自分の名義だけの本とは違い、順調に本が売れていくことを感じる。嬉しい。売り子をしながらも隙を見て合同誌を読んだLIO KIMがポツリと「読み応えのあるいい本だね」と言いました。

作りながら不安がありました。合同誌に参加された他の方より極めて認知度の低い私が何を大それた事やってるんだ、とか、この本が参加された方の悪影響にならないか、とか、参加者で分担する報酬額が少ないこと、とか。
自分が目で見て選び、お声がけしてまとめあげたものが私にとってはかけがえのないものになるのは決まっている。でも他の方たちにとってはどうか…。なので、身内とはいえ、LIO KIMの言葉にとても救われたのです。

今回もたくさんの出会いがありました。いつもスペースに来てくれる皆さん、本当にありがとうございました。また、SNSでは存じておりますがコミティアで初顔合わせということもとても多く、普通は越えない垣根を飛び越えて出会えた感がとても嬉しいし楽しいです。
あと、このようなイベントだからですが、一生会えることはないであろうファンだった作家さんがスペースにいらっしゃってくれたり、参加されててこちらから会いにいくことができたり、普通に頭がクラクラしますね。


合同誌「どうぶつとひとVOL.2」今週の金曜日に通販開始予定です。気になった方はぜひ。合同誌ということもあり再販は難しいです。どうぞよろしくおねがい致します。

トキワセイイチ

*一部の携帯・スマホからは寄稿者下の漫画へのリンクが見えないようです。原因はわかりませんが気になった方はPCなど別の方法で御覧ください。


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