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「新しい自営業」の“新しさ”とは何かを考える

人生が長くなることに伴って、働く期間も長くなるといわれています。
そうだとすれば、最後まで会社に勤めて、やりたくない仕事をやらされる生活を続けるよりも、自分の「好きなこと」や「得意なこと」を活かして、「社会と関わり」「誰かの役に立つ」、そんな働き方ができないだろうかと考えていた時に、フッと思いついたのが「新しい自営業」という言葉。

これまでも、例えば定年退職した後に、お蕎麦屋さんやラーメン店を開業するとか、フランチャイズのコンビニ経営に乗り出すといった人たちはいたし、シニアベンチャーに挑戦するといった人たちもいましたが、私は、これからの時代には、もっと多様な「自営業」の形があるはずだと直感しました。その直感が「新しい自営業」という言葉を呼び起こしたのかもしれません。

私がもっと多様な「自営業」の形があるはずだと直感した背景には、二つの大きな要因があると思います。

一つは、インターネットとデジタル革命の恩恵で、ここ数年の間に、実に様々なデジタル・ツールやクラウド・サービスが生まれ、誰もが驚くほど簡単に事業を始められる環境が整備されたこと。
10数年前には考えられないような進化だと思います。

もう一つは、2020年に始まったコロナ・パンデミックの影響で、リモート・ワークという働き方が一気に広がり、社会に定着したこと。
その結果、コロナ前の時代に独立しようとすれば当たり前だった事務所や代表電話やそれに対応するデスク業務なんてものは一切なしで、自宅やシェア・オフィスで仕事を始めることがフツーのことになりました。

さらに最近は、生成AIという強力な味方も誕生しました。
この新しいツールを使いこなすことで、さらに多くの人が多様な「新しい自営業」を実践できるチャンスが広がったと思います。

こうした環境変化を受けて、これからの時代には、ものすごく多くの人が会社を離れて「新しい自営業」に挑戦するのではないかというイメージがふくらみました。

「新しい自営業」の“新しさ”には、さまざまな要素が考えられます。
それは、上記のようなデジタル・ツールを使いこなす“新しさ”もあるでしょうし、インターネット時代のオンライン・マーケティングをフル活用する“新しさ”も大きな要素でしょう。

しかし、そうした事業のやり方や“形態”の“新しさ”だけではなく、もっと大きな“新しさ”は、働くことに対する“意識の新しさ”や“姿勢の新しさ”ではないかと思います。

私は、「人生100年時代」には、多くの人が、80歳や90歳、もしかすると死の直前まで「働く」ようになるのではないかと想像しています。
この時に大切なのは「働く」ということの意味合いをどう捉えているかということだと思っています。

冒頭にも書いたように、「働く」ことを「会社に勤めて、給料をもらうこと」といった狭い意味で捉えると、長く働くことは“苦役”以外の何物でもないでしょう。

そうではなく、自分の「好きなこと」や「得意なこと」を活かして、「社会と関わり」「誰かの役に立つ」という意識を持つことが、長く働くための基本的な「哲学」だと思うのです。

そして、この「哲学」こそが、「新しい自営業」の“新しさ”なのだと思うのです。

「新しい自営業」については、これからも様々な切り口で考えていきます。

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