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『NIHシンドローム』 ビジネスにちょっとだけ役立つかもしれないこと

三菱自動車は日産と全ての車台を共通化すると先日発表がありました。
三菱自動車は国内乗用車全ての基幹部品である車台の開発をやめることを決定。
提携する日産自動車からの供給に5年を目処に切り替えるとのことです。独自の開発投資は巨額の資金が必要な電気自動車に振り向けます。
中堅自動車メーカーが単独で全てを開発することは限界がきており、生き残りをかけた社外との連携を強める動きが広がっています。

さて、行き過ぎた自前主義の事を、NIHシンドロームといいます。

NIH(not invented here)シンドロームとは、外部で生み出されたアイデアや技術は、ここで(here:自社)で生み出されたものではないとして、それを活用することに消極的になり、オープンイノベーションを反発する企業風土のことです。

こういった風土は企業の上層から醸成されることが多く、大企業になればなるほど、そういった風土や文化は変えにくくなります。
特に日本の企業はそういった企業が多いように思います。
最近は変わってきているとは思いますが...

これは、単なる自社のプライドだけではなく上司は部下にもっと自分で考えるようにと教育しようとして外部の意見を取り入れず、オープンイノベーションに消極的的になります。

しかし、自分たちでできるのであれば、とうの昔に実施しているはずです。それができないからこそのオープンイノベーションです。
もはや自社だけでイノベーションを実現することは難しい時代です。
環境の変化が企業の成長のスピードを上回っています。
環境の変化に合わせて社内と社外の資源をダイナミックに組み合わせ、イノベーション起こさなければなりません。そのイノベーションを起こすための考え方とマネジメントが必要です。

それが、ダイナミック・ケイパビリティという考え考え方です。外部環境で起こる危機や機会を敏感に察知し、その機会を捕まえて、企業の社内外の資産を組み替えて再編成するという能力です。そして今や変化の中核にいるのがテクノロジーです。テクノロジーを自社で上手く活用して変革をする事がDX でもあります。

例えば、当社で提供しているGATHERING TABLE PANTRY の二子玉川店のシステムは、トレタの予約システムや楽天の顔認証を当社のAPI で繋いで業務に違和感なくサービスを提供しています。
われわれの店舗システムは他と繋ぐ事を前提とした、SaaSモデルです。

ここに上記でのオープンイノベーションとダイナミック・ケイパビリティの能力や文化を醸成していく糸口があります。
新たな付加価値を見出して提供していく必要があります。

昨今は、環境の変化がもの凄く早いです。
その変化に対応するためには自社だけでは賄えないケースもあります。

ビジネスのサプライチェーンやバリューチェーンの流れの中で全てを自前で行うのは非常に難しいのです。

そうしたサプライチェーン上のコストを削減して効率的に商品やサービスを提供するために、国内だけにとどまらず、国外へのシフトが進んできていました。

ここで一つ問題が起きました。
サプライチェーン上のモノを他社や国外へ出すという事で今回のコロナ騒動でなにが起きているか?
サプライチェーン上の部品が仕入られなくなりました。
本来コストを下げようと国外に出していたモノが逆に高騰しています。
これでは、本末転倒です。
しかも、オープンイノベーションは、アイデアや知見までも外部を使うとなると、今回のコロナショックのように経済が滞るともっと危機的な状況に陥ります。
ここで、オープンイノベーションにおける取引コストの増大の問題とホールドアップ問題が発生します。

今後、今回のコロナショックを受け、自前主義(NIH)にシフトしていく企業も増えてくることでしょう。

しかし、自前だけで新たなイノベーションが起こせるか?
この環境の変化に対応できるか?


そのバランスをとりながら経営をしていく必要があります。
「オープン・クローズ戦略」として、なにを自前で行って、なにを外に出すのか?このバランスをとっていく必要があります。そして、サプライチェーンの分断リスクを考慮したレジリエンス(復元力、回復力)を高める必要があります。
オフショアだけでなく、ニアショアとして他と連携するとか…

繰り返しになりますが、レジリエンスの向上、環境変化への柔軟な対応として企業が醸成しなければいけない能力が、ダイナミック・ケイパビリティです。変化を敏感に察知し、危機を機会として捕捉し資産や資源を素早く柔軟に組み替えて変化を起こす能力が企業に求められます。

「オープン・クローズ戦略」の重要性を今回のコロナショックで認識させらました。

なにを内製するのか?
なにを外注するのか?
どこと連携するのか?
どうやって連携するのか?

非常に重要な戦略です。

今一度、企業の持つべき資産を見直し、with コロナ、after コロナの時代に対して対応することが求められますね。

おしまい


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