見出し画像

#ビジネスにちょっとだけ役立つかもしれないこと 『競争の先に待っているものってなんだ?』

最近、DX関連の支援をしたり、提案をしたりしている中で、思うことがあります。

社会が大きく変化しています。
顧客が大きく進化しています。

その進化は、イモムシみたいな幼虫がゴジラになるくらいに...(シンゴジラより)


そして、そのゴジラ出現の背景にあるのが環境破壊だったり、環境汚染だったり。(ゴジラってSDGsやサスティナブルに繋がるな〜)
ゴジラが出てきたら、新しい社会的課題が生まれます。

そのために、未来の社会的課題を解決する必要があります。これがサスティナブルってやつですね〜

環境が破壊されれば、社会が毀損します。社会が毀損すれば、経済も成り立たなくなります。

なので、企業自身それぞれが環境・社会に大切に持続的な社会をつくりあげていきましょうってことです。自分の会社の利益だけでなく未来を見据え、社会全体を見ていきましょう。そういう会社が企業価値が上がります。という時代です。

これがESGってやつですね。

そのくらい社会の環境は激変しています。
そして、企業は変化する社会環境において競合他社との激しい競争に明け暮れます。繰り返される競争に疲弊します。
環境の変化が、いままでとは比べものにならないくらいはやく、激しいので競争のサイクルも追いつきません。

永久の無限ループです。

その競争環境から抜け出す。
もっと、イノベーションな領域を見出すことが重要となります。

僅かな改善競争から抜け出し、イノベーティブな場の提供が求められる時代になっています。

これは競争の仕方が変わるという事を意味しています。

企業間の競争で、ライバルとの競争に一時的に打ち勝ったとしても、すぐにそれは模倣され追いつかれ、逆に抜かれるケースすらあります。

結局のところ、学習先行優位を持てる領域は、企業のコアに関わるところです。

この企業のコア・コンピタンスを磨くことが、将来の競争領域としてのインベーションが起こせる領域であり、重要になるのではないでしょうか?
しかし、コア・コンピタンスだけを磨いていては、知の深化に傾倒し、環境の変化に対応できなくなってしまいます。

では、どうすれば良いのでしょうか?

ここで、レッドクイーン理論について少し触れておきます。
僕がこの理論を知ったのは、世界標準の経営理論/入山章栄著からです。

ベストセラーになっているので、読まれている方も多いと思います。

簡単にまとめておきます。
レッドクイーン理論と呼ばれるのは、「鏡の国のアリス」に登場する「赤の女王)レッドクイーン)」からとられているそうです。

アリスが鏡の国で行われているチェスゲームに興味を持ち、そこに登場した赤の女王は、鏡の国のルールとして、、「おわかりでしょう、あなたが思いきり走ったとしても、せいぜい同じ場所に留まることしかできません。もし、あなたが本当に他の場所に行きたいのであれば、あなたはいまより2倍以上速く走らなければならないのです。」
と発しています。

このセリフをアナロジーとして用いて名づけられた理論が、「レッドクイーン理論」です。

生態系における共進化(お互いが切磋琢磨し進化する)として、キツネとウサギの例が取り上げられています。非常に分かりやすいので、載せておきます。

キツネはウサギを逃さないように、キツネの足が速くなるように進化します。一方で、ウサギはキツネに捕まらないように、ウサギの足が速くなるように進化します。このキツネとウサギの生存競争はお互いの足を速くします。


この事象こそ、赤い女王のセリフが示唆していることです。

人や生物は、切磋琢磨して速くなったとしても、競争相手も同じように速くなっているので、相対的には「現状維持」に過ぎないということです。
これを企業競争に応用したのが「レッドクイーン理論」です。

新レッドクイーン理論
競争による共進化の落とし穴について話をします。
レッドクイーンによる進化は、企業が他領域に進出した際に、むしろ足かせになる可能性があります。
激しい競争に晒されすぎると、やがて競争そのものが自己目的化してしまい、競合相手をベンチマークするようになります。

結果として別の競争環境で生存できる力を失ってしまいます。

上述した、キツネとウサギの例でいうと、この2者間での競争の目的は、如何にして速く走るかです。
この事は、速く走る以外の進化目的を放棄していることになります。
結果、足は速くなっても、環境が変わってワシが空から襲ってきたら全く対応できないことを意味します。

これを解決する理論は両利きの経営での知の深化と知の探索です。
知の深化に傾倒すると、コンピテンシートラップ(競争力の罠)に陥り、新レッドクイーン理論のような結末を迎えかねないということです。

変化の激しいi時代において、ひとつの静的な競争環境はありえません。
ある競争環境において独占的な競争優位を築いたとしても、明日はその環境は崩壊しているかもしれません。
そのくらい、変化のスピードと変化の大きさは大きいと意識していく必要があと思っています。

以下の図は、ポーターの戦略のフレームワークである5Forceです。このフレームワークはあくまでも静的な競争環境を表しています。

画像1

しかし、現在の環境は変化が激しくこの環境自体がどんどん変化しています。

であれば、競争優位を確保し独占型の戦略を目指すよりも、イノベーション型の競争優位戦略を実現していくことが重要であるということです。

ここで、デジタル化していく社会の中での企業間の競争に目も向けてみます。
5の力に対して、6番目の力としてデジタルテクノジーの力が作用すると、下の図になります。
この競争環境では、デジタテクノロジーという一つのイネーブラーが加わったことにより競争環境がダイナミックに変化します。

今まで、5つの力を考慮した環境で競いあっていればよかったのですが、デジタルテクノジーの発展により、新たなディスラプターが突如出現して競争環境を塗り替えます。
その例が、UberやAirBandBです。これらはキツネやウサギではなく、ワシなのです。今までの競争の外側から突如現れます。

画像2

キツネとウサギの追いかけっこは、地上という限られた環境で競いあっていて、空を意識していません。
キツネとウサギは切磋琢磨し、お互いがどんどん速くなったとしても、ある日突然空からワシがやってきて襲われるかもしれないのです。
一生懸命、切磋琢磨して地上での競争力をつけたのに、それは一瞬で無になります。

こうした環境に対応していくには、知と知の融合が重要だと思います。

自分たちの大切にしているもの、自社の強み(コア・コンピタンス)と新たな何かを掛け合わせることで、新レッドクイーン理論の終わりのない競争から抜け出し、真の意味での競争優位が創造できるのではないでしょうか?
その新しいものが、デジタル化する社会に対応するという課題があります。

これが真のDXの姿ではないかと考えています。

悪魔に魂を売り、キツネとタカが融合できれば、地上での追いかけっこから抜け出すことができるのです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?