『Re :Think DX』DXの本質再考
DXの本質シリーズを書いてから約3か月になります。
その間、ロイヤルHD、星野リゾートさんとセミナー形式でパネルディスカッションをしたり、社内外のいろいろな人と話をしたり、DXの案件をいくつか進めたり、提案したりして、様々なインプットがありました。
そこで、今一度再考してみようと思います。
さて、DXとはデジタル・トランスフォーメーションの略語ですよね。
この意味は「デジタルを活用して企業変革をしよう」ということです。
小難しい表現はやめてシンプルに表現するとこうなります。
あくまでも目的は「企業変革」なのです
デジタル化はその手段にすぎません。
では、なぜデジタル化が必要なのでしょうか?
それは、社会がデジタル化しているからです。
新型コロナウイルスの感染拡大は、そのデジタル化を加速させました。
社会(ユーザー)がデジタル化すれば企業もデジタル化しないと生き残っていけません。
とういうことで、
「デジタルを活用した企業変革」が必要になるということです。
なんのことはない。これが、DXの正体です。
こういうイメージです。
世の中は、もの凄い勢いで変わっています。
中でもテクノロジーは急速に進化しています。
そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大は、テクノロジー弱者のアレルギーを取り払い、デジタル化のスピードをさらに加速させました。
以前からテクノロジーは進化していましたが、使う側の人間が抵抗していたということです。
皮肉なことに、新型コロナウイルスの感染拡大は、それを剥ぎ取りました。
否応なく、テクノロジーを受け入れなければならなくなったのです。
ここまでは、大体理解できるのではないでしょうか?
では、どうやって実現すればいいのか?
どうやって実行すればいいのか?
これが難しいのです。
というか、どこから手をつけたら良いのかわからないのです。
よく見かける方法はDXの専門組織を作って、そこに検討するようにと、丸投げします。
変革の目的なしに実施する事は、真っ暗な大海原に何も持たずに放り出されるのと一緒です。
以下にDXを実現するための7つのステップに分けて現してみました。
上記の図において、最も重要なSTEPが、STEP1の「企業変革の目的」なんの為にDXをする必要があるのかです。(STEP1)
ここを企業として明確にしておく必要があります。
あくまでもDXは手段でしかないのです。
この目的をキチンと決めるということは、めちゃくちゃ重要です。
この目的がないまま、DXのプロジェクトを立ち上げて、DXの事業部を作ってもほとんどが失敗するか、中途半端な改革(いわゆる改善レベル)にしかなりません。
目的を持たないプロジェクトが成功することはありません。
というよりも、プロジェクトのゴールも定まっていないのでは、プロジェクト自体にもなり得ません。
ここには経営者が深く関与する必要があります。
なぜかと言えば、DXの目的は企業変革だからです。
企業変革ができるのは、経営者でしかないのです。(もしくはそれに準する人)
そして、次にやることは、この企業変革の方針(なぜ、なんのためにDXが必要か?)を全社員に伝えることです。
ここを怠ると上手くいくもの上手くいきません。
次に重要なのが、人です。
計画が先ではなく、人が先であるということです。
ジムコリンズも、ビジョナリーカンパニーで指摘しています。最新作のビジョナリーカンパニーZEROでも「最高の人材がいなければ、最高のビジョンの意味がない」と言っています。
ここまでができれば、プロジェクトの半分は成功したようなものです。
その人とビジョンをもとにDX専属チームを組成します。(STEP2)
次に、デジタル化もアイデア出しをします。(STEP3)(STEP4)
ビジョンに従って、DXのアイデアを出します。その時のポイントが、
・何をデジタル化するのか
(デジタイゼーション)
・デジタル化したものをどう活用するのか
(デジタライゼーション)
・それを持ってどう変革するのか
(トランスフォーメーション)
を考える事が重要です。
アイデアが出たら実行します。(STEP5)
実行する際は、既存事業と切り離し、出島/特区モデルとして実行する事が有効です。
ここで重要な事は、社内全体にDXで、出島モデルで実行されている事を共有することです。
このSTEP3からSTEP5を繰り返して行くことで変革の意識を醸成します。(STEP6)
これを社内全体に広げて行くことで、企業変革のか文化がつくられるようになります。(STEP7)
さて、DXの本質を再考してみました。
やはり重要な事は
・企業変革の目的をキチンと決める
・そこには、経営者が深く関与する
・変革人材を集める
ということです。
これから、週一回程度のペース(毎週金曜日)で、このSTEPを詳述していきたいと思います。
つづく
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