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#11 「DXの本質」 デジタル化するか? それとも死か?

おどろおどろしい、タイトルです。
経営学者であるフィリップコトラーが言った言葉「デジタル化するか?それとも死か?」です。
テクノロジーがもの凄い勢いで進歩しています。その進歩は指数関数的です。インターネットの発展を機にユーザーは、ありとあらゆる情報に簡単にアクセスするようになりました。
さらにスマホの登場・浸透により、アプリが豊富になり、消費者の行動の起点がデジタルにシフトしています。
もはや、情報の優位性はユーザー側に移行し、情報の非対称性の逆転が起き始めています。
デバイスやセンサーといったIoT等も5Gが浸透してくるとともに、エントロピーの増大原則のように拡散・拡大していくことが想像されます。

全てがデジタルにつながったデジタル社会が、すぐそこまで来ています。

グローバルに目を向ければ、社会民主主義、北欧型福祉国家モデルというポスト資本主義として注目される中国や北欧では、デジタル化が凄まじい勢いで進んでいます。
そうした諸外国に対して、日本は遅れをとっている事に目を背けていてはいけません。
世の中の激変する環境に対して日本も追随していかなければ、国際競争から落ちこぼれていきます。

今後も更に、デジタル技術の進歩は進み、消費者の行動が変わり、社会が変容します。
そうした社会にディスラプターと呼ばれるデジタルネイティブな企業レガシーな産業を塗り替えていきます。
ここで、マイケル・E・ポーター教授の有名なフレームワークである、「5フォース分析」の観点から考えてみたいと思います
まず、5フォース分析については、簡単に説明しておきます(詳しくは、ポーターの本等を参考にしてください)
5フォース分析とは、外部環境分析のうち「事業環境」の分析を行うためのフレームワークです。これを考案したマイケル・E・ポーター教授は、経営戦略を考えるうえで、「業界の競争状態」=「競争要因」を知ることが重要であると説いています。その「競争要因」には、以下の5つの競争要因(5フォース)があり、これが業界の収益性を決めることになるのです。 
・新規参入者の脅威
・売り手(サプライヤー)の交渉力
・買い手(顧客)の交渉力
・代替品や代替サービスの脅威
・既存企業同士の競争(競争業者)
企業は上記の5つの力が働いていて、5つの競争要因となる力に対して対応していくことにになります。
しかし、デジタル化していく社会においては、もう一つ大きな力が直接的に、もしくは間接的に働いていると思います。
デジタル・テクノロジーです。

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上図は、5フォース分析のフレームワークをもとにデジタル化する社会を当てはめてみました。ここで、デジタル・テクノロジーを「6番目の力」としてみました。
デジタル・テクノロジーは直接的、間接的に企業に影響を与えます。
新規参入業者は、ディスラプターとしてデジタルテクノロジーを駆使し、市場を塗り替え破壊していきます。
売り手(サプライヤー)もデジタル化が進み、デジタル対応していないと有利に取引が実施できなくなるかもしれません。または、デジタル化を活用して直接、顧客や消費者にモノやサービスを提供するかもしれません(その場合は、サプライヤーが競合になります)。
買い手(顧客)もデジタル化が進み、特に消費者を中心に行動はデジタルが起点になります。また、情報については顧客側に主導権は移り、情報の非対称性が逆転している状態です。
代替品や代替サービスもデジタルテクノロジーを活用したモノが出現し、顧客はそちらで代替するようになるかもしれません。
もちろん競合他社も同様に、デジタル化する社会に対応してきます。そのデジタル化する社会の中で、更に競走は激化し、競争優位を築いていく必要があります。

このようなデジタル化社会に対応していくために、デジタルを起点とした企業変革をしなければ、生き残っていけないのです。

デジタル化しなければ、待つのは、「死」かもしれません。

だから、「DXが必要なんだ」ということです。
DXは、D<X デジタルより企業変革が重要です。と何度も言っています。
でも企業変革って大変じゃないか?
そう、大変なのです。だから経営者の関与が不可欠です!

では、企業としてDXをどう受け止めれば良いでしょうか?
企業のコアなコンピタンス、コアバリューを深く掘り下げ、企業の存在価値を今一度、見つめ直す必要があります。

「変化していく社会の中で、自社はどのような価値を提供できるのか?」
「知の深化」である自分たちに得意な領域を深く深く掘り下げていくのです。
と、同時に自分たちのコアでないものと掛け合わせることを考えます
「知の探索」です。
この「知の深化」「知の探索」を融合(コンバージェンス)して、新しい価値を創造する必要があります。いわゆる「両利きの経営」です(履き違えた両利きの経営は危険なのですが、、、)

そして、もう一つ重要なことがあります
「顧客主導」で考えることです。
「己も顧客も深く知る」ということです。

コロナ禍においても、テクノロジーはもの凄い勢いで進化しています。
このデジタルテクノロジーを活用して、「新しい価値を創造」するだけではなく、「業務の効率化・コスト削減」も実施していき、企業の構造改革、いわゆる「企業変革」を行っていくことがDXです。


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