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『在日韓国人になる』を書き上げて


こんにちは。
12月中旬、初めての単著『在日韓国人になる』(CCCメディアハウス)を刊行いたしました! やったー。

装丁+本文デザイン:Keishodo Graphics | カバーイラスト:オザワミカ | 校正:竹内輝夫


本書では、高校で「歴史」や「政治学」を教えているという私の仕事がら、高校生でも少し背伸びすれば読み通せるような筆づかいを心がけました。

また、現代ニッポンのさまざまな課題と在日の課題は、とっても深くつながっているのでは、と問題提起しました。
この点は、今まであまり問われてこなかったことだと思います。

大人の皆さまはもちろんですが、多感なYA(ヤングアダルト)にも広く届くことを心から願っています。

言及される人物、研究、作品は多岐にわたります。けれども、重たくならないように努めました。ユーモアや「笑い」を忘れていないつもりです。

本書でもふれていますが、これを忘れるときは、いよいよ命が危ういときです。今は絶対にユーモアや笑顔を捨てちゃいけない、と思っています。

「深刻なことほど軽やかに」。私がいちばん好きな政治学者のことば。書いている3年半、このことばを常に胸に留めておきました。

また、編集者にご協力いただき、写真や図・表をたくさん入れていただきました。目で見て「おもしろそう」「有益そうだな」と読者に思っていただけることは、大切な点だと確信しています。

以下に、目次と小見出しを掲げておきます。
ご関心がありましたら、ぜひお手にとってパラパラ眺めていただけるととってもうれしいです!


プロローグ-真夜中のヘイトスピーチ

第1章 「駆除」の時代を生きぬくヒント

ゴキブリ哀歌(エレジー)▼「境界人」の責任▼殺さない/殺されないヒント

第2章 焼け跡の生命力

外国人をつくる▼ポイ捨ての戦後▼闇と腸(はらわた)▼豚と川▼弱者と政治▼男と女▼女と男▼法とアウトロー

第3章 生きる条件

思いやりの共同体▼ナショナリズムの光と陰▼「思春期」の闘い▼商店街の冷戦▼偏見と高慢▼忠誠-民族学校と日本学校▼もうひとつの忠誠-X、Y、Z▼離脱-「なべ底」から「楽園」へ▼やっかい者の背中▼ためらいの「朝鮮にんじん」▼穴を掘る「宇宙人」▼パンを売ってもらえる

第4章 声なき「発言」と英雄

無言の離陸(テイクオフ)▼はい上がる在日▼元気のみなもと-日本人のヒーロー▼元気のみなもと-日本人ではないヒーロー▼忠誠のシフト-日本国籍取得▼夢を裏切れない

第5章 明るい未来へ

戦後民主主義のアップデート?▼「わかってたまるか!」▼もうひとつの「わかってたまるか!」▼ブラックパワー、コリアンパワー▼「客分」の「発言」▼「革新」と運動

第6章 差別解消カスケード

人権、難民、大国ニッポン▼差別解消カスケード▼なだらかな統合▼ひとさし指の自由▼本当の名前、本当の私

第7章 未来の足音

「純」と「準」▼失われた国籍をもとめて▼国籍というエラー?▼ジャイアンからのハガキ▼小さな反動主義者▼ママ(オモニ)のヘイトスピーチ▼明るい未来の足音▼

第8章 パラレルワールド

穏やかならざる空気▼ずれる利害▼第三の道▼在日の卒業▼オ、リョ、ウォ、ヨ▼母のソウル、姪(めい)のピョンヤン▼「帰化日本人」▼「純」と「準」、ふたたび▼不穏な一票、遠い一票

第9章 「御守り」としての歴史

歴史戦(ヒストリーウォーズ)▼女性のきずな▼保守のきずな▼バランスという不正義▼はさみうち▼フェイクという正義▼希望の歴史という御守り▼戦術的忘却▼歴史の(ヒストリカル)ハッキング

終章 ささやかな希望、死なない明日

冬の避難所▼たどたどしい希望▼「私たち」/在日を開く▼橋をかける▼いつか来た道

エピローグ-敗北宣言はまだ早い

参考資料

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