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「SDGs」はどうやったら拡がるの?

私、年間100回くらい講座やワークショップで登壇させてもらっています。最近ではその7割ほどがSDGsにまつわるテーマです。ニーズの強さを感じますね。企業、行政、学生、地域づくりなど、さまざまなところから講座のご依頼をいただき、まさしく〝産・官・学・民〟のあらゆるセクターで関心を持たれています。

しかしながら「参加者の全員が関心を持っているか」というと、そうでもないですね。SDGs推進をご苦労されている皆さん、そういう雰囲気はありませんかね? そのような同志の皆さんのささやかな応援になれば、と願いながら、経験談をお伝えします。テーマは「組織内や地域内にSDGsを拡げるためには」です。

関心層の3パターン

研修先でSDGsへの関心は次の3パターンをよく見かけます。
 A)経営者や指導者(先生や親も含む)だけが関心
 B)若手職員、若者だけが関心
 C)このAとBだけが関心

ヒエラルキーで確認すると「上だけ」または「下だけ」(もしくは両方)が関心を持っているイメージです。すなわち真ん中がフワフワしている印象があります。〝フワフワ〟とは「いい加減」という意味ではなく、「それどころではない」という雰囲気です。お仕事の最前線の方々は日々の業務に追われ、なにかと多忙なのです。

すなわち、SDGsは日々に追われている「短期視野」の方には見えにくいテーマなのかもしれません。〝見えにくい〟というのは「今すぐやらなくては、と思う自分が見えにくい」ということです。そもそもマネジメント層は中長期で物事を考えているでしょうし、若者は2030年にリアルな課題観を持っています。学校でそれを教わってきたSDGsネイティブですから自然な形で関心領域に入っています。

現場の最前線であり、ヒエラルキー中間の方々が、中長期で考えられていないことへの危機感から、企業研修や行政職員研修を承ることが増えてきました。「10年目研修」、「新・主任者研修」でSDGs研修を実施すると非常に評判がいいですね。参加者からは「大切な視座を得た」とお褒めの言葉をいただきます。

SDGs研修で、まずこれを訊ねてみてください

さて本題です。SDGs研修を依頼する方、または研修を担う方のヒントになれば、という話題です。研修前や当日に「SDGsの何に関心があるか」をまず訊ねてみてください。またこの視点を持ちながら研修内容を組み立てることをお勧めします。

その問いの答えの傾向を大きく括ると次のような感じです。
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「SDGsの何に関心があるか」への答えの傾向
①環境系
②受動的
③私益
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