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夏の一冊 ―若いひとに推薦する本

せっかくの日本の夏なので、平和とか戦争について考えようか。

学校の感想文なら、なおさら結構。
でも短くて分かりやすいのがいいよね。

村上龍の本だ。

せっかく君は若いのだから、原理的にものごとを考えてみてごらんよ。
平和とはなにか。
それは現状の維持だ。
現状のままが続けば、もっともっと楽しくなれる連中が、平和を望む。
連中はヌエのようだ。腑抜けのくせに、世渡り上手で、キレイゴトばかり並べ立てて、現状を楽しんでいやがる。トッチャンボーヤのナレノハテ。

戦争とはなにか。
それは現状の破壊だ。
現状のままが続けば、ジリ貧だと、切羽詰まったやつらが、戦争を望む。
「最低野郎」と呼ばれたやつらが。
窮鼠、猫を噛む、勢いで。

ところで、もし君が、現状で生きづらいと思っているのだとしたら、現状のシステムの変革を望んでいるのだとしたら、どうだろう。

せっかく、君は若いのだから、エネルギーにみちあふれている「はず」なのだから。

システムのなかでおとなしく良い子にしていても、たいした餌はもらえそうにもないぜ。まじめな奴隷の、みじめな人生。真剣勝負で戦ったこともないから、遊園地に行った思い出しか残っていない。可もなく不可もない人生。あってもなくてもよい人生。死んだ魚の目をした、誰のものでもよい人生。掃いて捨ててもかまわない人生。

たった一度の人生なのに。
おもいっきり汗を流してみろよ。
そ~れ、祭りだ祭りだ!

「おてんばでもいい。たくましく育ってほしい。」
―爺はそう願っている。


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