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清風堂のおすすめ vol.12(2023/11/26)

こんにちは。清風堂書店の谷垣です。

 先日、朱喜哲さん・三木那由他さんの対談イベントを無事に終えることができて、ほっとしている今日この頃です。今年のイベントはこれで終わりかと思いきや、12月にもう1本イベントが決まりそうな雰囲気。今年もあわただしい年末となりそうです。

 ちなみに、店頭分として登壇者お二人からサイン本を用意していただいております。イベント特設コーナーや話題書のコーナーに並べております。ぜひ!


これから出る本

『転職ばっかりうまくなる』ひらいめぐみ/百万年書房

 12月中旬発売。こちらは事前にゲラをいただいて読みました。端的に言って、めちゃくちゃおもしろいです。社会に求められる人材になりきれずに(あるいは、そんなものになりたくなくて)モヤモヤしている人にぜひ読んでほしい。

 さて、いま「社会に求められる人材」と書きました。いろんなところで見かけるこの言葉。そもそも「社会に求められる」ってなんなんでしょうね。いったい誰が求めているのかすらもあやふやで、無責任な言葉だなぁと私はおもいます。「人材」も人間をモノ扱いしているようでなんだかやだなぁ。「働く」ということすら私たちはよくわかっていないはずなのに、こんな言葉を平気で使っています。結局のところ、会社の上司にとって扱いやすい人間になれということなんでしょうけど…。

 著者は新卒で就活をすることなく、倉庫やコンビニでアルバイトをはじめます。そのあと転職エージェントに登録し、合計6社を渡り歩くことに。その業種も営業・マーケティング・書店スタッフ(!)などさまざまで、とてもアクティブなお方なんだなぁと思いながら読み進めていました。これから就職を控える学生にとっては、仕事の雰囲気をつかむことができるという点でもおすすめです。

 働く。

 それには負のイメージが付きまといますが、本書は良い意味で「働く」ということをあまり重視していないのかもしれません。あまりナイーブに考えすぎずに、より軽やかに「働く」ということに向き合っている。仕事を軽視しているのではもちろんなく、「働く」ということを通して自分に向き合っていると言えそうです。そして、それはつまり自分をごまかさないということでもあるのです。

 ともすれば、何度も転職を繰り返す人にたいしてふらふらしたイメージを私たちは持ってしまいがちです。しかし、実はそのような目線の先には、自分をごまかして生きている自らの姿が投影されているのではないでしょうか。著者は「自分をごまかさない」という点で、とても一貫した生き方を実践しているのです。

『自炊者になるための26週』三浦哲哉/朝日出版社

おいしさと創造力をめぐる、全くあたらしい理論&実践の書!

内容紹介より

 これまで映画を批評・研究してきた著者による「自炊論」。自炊を「日々の小さな創造行為」としてとらえ、あくまでも理念にのみ偏らない実践の書。かなり捻りのきいたレシピ本です。すごく気になる。

『不完全な司書』青木海青子/晶文社

本は違う世界の光を届ける窓図書館は人と人の出会いの場所司書の仕事はケアにつながる奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。

内容紹介より

12中旬発売予定。単著としては『本が語ること、語らせること』(夕書房)につづいて2冊目でしょうか。この本もすばらしい1冊なので、ぜひあわせて手に取ってもらいたいです。

第七藝術劇場のフライヤー置いてます。

 ぜひとも見ておきたい作品が12月・来年1月と立て続けに、第七藝術劇場にて上映されます。一般の映画館での上映がむずかしい作品をいつもセレクトされていてありがたい存在です。映画の予習として、書籍もぜひご覧いただければとおもいます。

サイン本あります。

スズキナオさんがご来店!

 たくさんサインしていただきました。ここにきて新刊ラッシュなスズキナオさん。聞き手として参加している『ラズウェル細木の酔いどれ自伝』(平凡社)にもサインをいただいています。レジの向かい側にサイン本コーナーを設けております!

(終)

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