優れた若者にどうあがいても勝てない

恵まれない世代

僕たち世代(2000~2010世代)は、いい大学を出ても本当に就職先がなかった。今もない。就活中だ。
地方に住んでいたらなおさらなかった。地方の会社は大量倒産していて、就職率はあまりに低く、国立大学を出ていてもパチンコや消費者金融、介護に無理矢理就職している状況だった。
現代のようにインターネット経由で勉強することはほとんどできなかった。今の若者は、特に英語などの語学に関してはめちゃくちゃ有利になったと思う。そもそも、本屋に勉強するための本が並んでいなかった。
amazonが出てきて、喜んで本を注文した。
しかし現在の参考書のようにわかりやすいものは少なく、必死に初級シスアドをとった。現在のITパスポートである。学業をこなしながら資格取得は厳しかった。
そこそこ難関の大学だったので、講義はわかりにくく、テストは難しかった。単位を取れず落第する人間もいた。先輩から過去問をもらっていた学生は楽だったようだが。
何とか大学で優秀な成績をとって、ようやく就職活動を始めたが、世間はコミュニケーション能力を重視すると方向転換した。
青天の霹靂である。学校では軍隊のように学業をたたき込まれて、就活が始まったとたん、コミュ力を求めらるようになったのだ。
付け焼き刃のコミュ力が通用するわけもなく、僕は就活をほぼ全滅し、零細ブラック企業でスケープゴートにされ、転職先でもそうなった。40まで耐えたが、コロナで多忙になった非正規の仕事に耐えきれず(子持ちと違ってサポートはない)に仕事も辞めて、今はまたぽつぽつと就職活動をしている。

恐ろしいのは今の若者

現代の若者は学業をこなしつつ、イベントにも積極的に参加しコミュ力を鍛え、資格もいくつも取得し、語学も堪能で、見た目も整え、非の打ち所がないという。
僕にはとてもそんなことはできない。今も英語音声を聞きながら作業をしているが、全然身につくことがない。英単語って無限に存在するんじゃないのだろうか。
現代の若者は、大学から世間からサポートに恵まれ、さらに学力・語学力・コミュ力を備えて就活戦線を戦っている。羨望するほどの環境と、戦慄するほどの能力である。僕らはサポートがない上に、無能である。自己責任と言われ貶されるサンドバッグである。

僕らの世代は何をしているのだろう

仕事を頑張っている人は幸せである。僕には就職する能力が無かったが、他にも同じような境遇の人間はいるはずである。現在も頑張っているのだろうか? 
ずいぶんとITと英語を勉強してきたが、実務経験が無いから、(就職が楽勝と言われるIT業界にも)就職にはつながらない。肉体労働も体が細く小さいから(大学の頃はホビットといわれて馬鹿にされていた)就職には結びつかない。もちろん、結婚はしていない。そんな余裕はない。ずっと就職情報とにらめっこして、就職のための勉強をしている。つまらない勉強である。他にも同じ境遇の人はいると思うが、どうなのだろう? 頑張っているのだろうか。きっとそうだろう。僕も頑張ろうと思うが、やはり優秀な若者がライバルだと思うと怖くて仕方ない。

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