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Day4:人間かくも忘れやすきもの、でも再び

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こんにちわ。
圧巻人生達成プログラム Day4です。
どうぞご笑覧のほどお願いいたします。
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熊本では球磨川の氾濫で
甚大な被害が出ています。
心よりお見舞い申し上げます。

タイミングを見図り、
必ずや何かしらのお手伝いをさせて頂きたいと思います。



ニュースアーカイブを紐解くと、
ちょうど3年前の同じ時期に福岡県で豪雨被害が発生しています。
「線状降雨帯」という言葉で覚えていらっしゃる方も多いでしょう。

おそらくその災害時も
「100年に1度の大雨」と警戒を発しられたと思いますが、
もはや「1年に1度」、いや、「1年に2度」位の
警戒心を持って臨むべきではなかろうかと思います。



少なくとも私が子供の時分の30年前には、
このような大規模な災害は発生しても数年に1度、
その度に「随分と大変な事が起きてしまった」と
子供心にも恐怖や警戒心というものが植え付けられたものです。

誰が悪いとかいいとかという問題ではなく、
人間がそもそもそういうものなのだと思っていますが、
出来事が日常的になってしまったが故の危機感の喪失。
災害が日常的になってしまった現実があります。



おそらく今年はまたどこかで、
何かしらの災害が発生するでしょう。
(起きてはほしくありませんが、でも起きる)

起きてしまった過去は塗り替えられない以上、
起こるべく未来への備えは十分にできるであろうと思います。



しかし、
「分かっちゃいるけど止められない。体が動かない」
ではないですが、
危機を目の当たりにしても当事者として動く事が出来ないのが
悲しいかな人間の性です。
(私も同様です)

過去が残してくれた教訓に、
いかに自分を躾ける事が出来るかが試されているようです。



そのように思うに至った実経験もあります。

東日本大震災のあと
何度か気仙沼や石巻に復興支援で伺った事がありますが、
現地の方の多くが
「あんなに大きな津波が来るとは思いもしなかった」
と仰られている事です。

東北の太平洋沿岸は、
3.11だけではなく過去にも数多くの津波被害に遭遇しています。
そんな「歴史のテキスト」があったとしても、
街の至る津波を記録した石碑が立っていたとしても、
先人の残したテキストでの記録があったとしても、
人は忘れてしまうものなのですね。



東北から帰ってきた後に
吉村昭の「三陸海岸 大津波」を読みましたが、
このルポなど最良の、後世へのテキストたるものではないかと思います。

人間は強烈な記憶の元に得られた経験の方が
忘れがたきものになると言いますので、
一部引用してみます。

(以下一部引用)
死体の多くは、芥や土砂の中に埋もれていた。
生き残った住民や他の地方から応援に乗り込んできた
作業員たちの手で収容されていたが、
掘り起こしても死体の発見されない場合が多い。

そのうちに経験もつみ重ねられて、
死体の埋もれている個所を的確に探し出せるようになった。
死体からは、脂肪分がにじみ出ているので、
それに着目した作業員たちは地上に一面に水を流す。
そして、ぎらぎらと油の湧く個所があるとその部分を掘り起し、
埋没した死体を発見できるようになったのだ。
(以上一部引用)


引用部は
犠牲者を発見するための様子の生々しさを知り得る一シーンですが、
津波の発生前後の挙動、立ち居振る舞いをも知り得られる作品です。



例えば、
この作品が東北沿岸地域の地震に対する心構え、
自分で自分を躾けるためのバイブルとして
語り継がれていたならば。

教訓として代々語り継がれていたならば。

たられば、を考えるときりがありませんが、
もしかしたら異なった結果をもたらしていたかもしれません。



自分自身を躾けるためにも、
起き得る未来に対する備えをするためにも、
日々記憶が揮発していく事は間違いのない事実のようなので
「記憶」を「記録」に残すことを続けていきたいと思います。

中西進先生・磯田道史先生の共著
「災害と生きる日本人」(潮新書)も
今まさに災害と共に生きる日本人には読んでおきたい一冊です。
併せて、寺田寅彦の「天災と国防」(講談社学術文庫)も。

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★今日のおさらい★
・人間はかくも忘れやすき動物、
 高等生物の意地としても
 もっとおきた歴史に学ぶべきではなかろうか。
・そして、
 その学びの「記憶」を「記録」として
 容量に限りのある頭のハードディスクだけでなく、
 何かしらの方法で記録し、
 植え付けておきたいものである。
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■後記
・昨晩は、
 我が家の近くを流れる川も上流域では降雨量が多かったのか
 夜中にダム放水を知らせるサイレンが頻りに鳴動していました。
 なかなか夜中に聞くと恐ろしいものですが、
 備えあれば憂いなし。
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(2265字)

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