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【#忘年会スルー】忘年会幹事押し付けられた新入社員が社会実験してみた話

世の中では「#忘年会スルー」なんて#タグが流行っておりますが、皆さん楽しい年末お過ごしでしょうか?

私も基本的に生産性のない飲み会は嫌いなので、付き合いでやる歓送迎会・忘年会等は学生の頃から(バイト先のもクラスのも)全スルーして生きてきました。ところが、今年新卒で会社に入社し、入社一発目のタスクの依頼が忘年会幹事・・・苦笑

入社早々、研修等でお世話になった上司に「私そういうの無理です」とも言えず、同期とともに引き受けました。(半強制的に)

先輩社員に聞いて、軽く調査してみると昭和臭満載の余興ありきの大忘年会が伝統であることが発覚し、「とりあえず余興」な雰囲気にナチュラルにドン引き。私自身、エンターテイメントオタクなので楽しいイベントを作るのはもともと好きで、どちらかと言えば進んでやる方だけど、「#忘年会スルー」な時代に需要があるかもわからないところで、余興やるのは精神的にも体力的にもコスパ悪すぎなので絶対なしだし、目的もないのに忘年会を運営しなきゃいけないのは時間的コスパが悪すぎるし、何より参加してくださる方に無駄な時間を過ごさせる前提で忘年会開催するのって心苦しすぎたので、こじつけでも良いから理由を考えました。

そんな感じで始まった新入社員による「忘年会社会実験」

忘年会の目的とは?

まず、「忘年会ってなんのためにあるの?」という問いから始めました。物事ってなんでも始まった時は目的があるがあるはずで、何もないところから忘年会が生まれたわけではないと思ったんです。

では、なぜ忘年会をやるのか。年末の忙しい時期に社員集めて、余興を見るのが目的ではないだろうな〜と思いつつも、この社会人って余興やるのが好きなのかな?とかも思い、「余興企画募集アンケート」を取りました。このアンケートは立候補でも推薦でも可。ですが、アンケート回答集まらないのなんの(笑)「とりあえず余興とか言っておきながら結局自分はやんないのかよ苦笑」って感じ。唯一立候補してくださった余興はお願いすることにしましたが、やりたくない人たちに余興をお願いするのは違うなと思い、昨年度の忘年会の時に取っていた事後アンケートを読んでいると、「余興が多くて話をする時間がなかった」という意見がいくつも・・・。そこで、忘年会って社員の交流の場として用意されてたのかなって思ったんです。(#飲み会全スルー人間なので今までそういう飲み会に参加する目的とか考えたことなかった)

確かに、業務やチーム関係なく大勢が集まって2時間くらい時間をともにするわけですから、いつもは話せない人と話をすることが忘年会の目的なのかもしれない・・・。ということで、「忘年会は社員の交流の場である」と仮説を立て「いつも話す機会のない人と話してもらう」という目標のもと忘年会を企画し始めました。

目標達成のために何をするのか

「何か余興やらなきゃ」とあたふたする代わりに、「いつも話す機会のない人と話してもらう」という目的を果たすためには自分達に何ができるのかと考えました。結論から言うと「たくさんの人と話しやすい環境づくり」をしました。

・立食にして身動きが取りやすい環境を提供(100人規模)

・話し相手が変わるようなきっかけを用意

・どんな相手とでも盛り上がれる共通の話題の提供

・最後に会場の一体感が感じられるようなシナリオを設定

まず、参加者の満足感を考えた時に、大勢が集まったことへの意味を感じてもらうには、全体が一体化するようなコンテンツがなければいけないと思いました。初めて話す人との会話は個人ですが、個人個人の関わりで終わってしまうのなら、個人的に飲みに行ったりするのと変わりません。個々の関わりを大切にしつつ、最終的には「こんな素敵な皆さんと働けてハッピーですね!」な、流れに持っていかなければならないなと。

着席にすると椅子の数の問題で座った場所から動きずらくなってしまうため、個人的に着席は絶対なし。しかし立食にしたところで、いつも一緒に仕事をしている話しやすい人同士が固まってしまうのが想定されます。そこで、どうしたら初めて話す人ともスムーズに会話ができるのか考えました。そこで思いついたのが、話し相手が変わるようなタイミングを提供し、その後で話がスムーズに続くように全員共通の話題を提供する。

1.入場時にくじを配布

2.会の中盤でくじに従って場所を移動してもらう

3.移動直後に平成を振り返るベストヒットメドレーの動画を流す

4.そして最後に同じくじを使って分けたチームの代表者参加型のクイズ大会

5.なんか仲良くなった気持ちで解散してみんなハッピー

と言う流れでした。参加した方がどう思ったかは謎ですが(事後アンケートこれからなんで)見てた感じ、新人が変に頑張ってクオリティーの低い余興をやる気ないままやるよりかは全然良かったのではないのかなーと思いましたね。強制されてやること以上に辛いことはないと思ってるので、私は理にかなってできてやりやすかった。

あとは、ひたすらに動いて声を張って盛り上がってる雰囲気を作りました。

私は前に出ても死ぬタイプではないので、ちょろっと前にも立ったし、これまでにも前に立った経験はあるのでわかるのですが、前に出る人のリスクって「盛り上がらない」の一択だと思うんです。噛んだって、滑ったって、会場さえ盛り上がればなんでもいいし、前に出る人の気分も良い訳ですよね。

幹事として余興を依頼したからには登壇者の方にリスクを負わせる訳にはいかない・・・。幹事が観客側から何ができるかというと、登壇者が前に出ている時の盛り上がっている雰囲気づくり&出てくるまでの会場を温め業務(お酌)

飲み会の場では後者は比較的に簡単で、お酒飲んでたらみんななんとなく勝手に盛り上がるじゃないですか。だから余興始まるまでには、オーディエンスが勝手に盛り上がってくれるくらいになってくれるようにお酌したり、声かけにいったりして会場を温める。ここはパフォーマーにはできないし、日本人はお酒ないとでかい声出してくれない人も多いし、会社の飲み会だと余計にそういうのあると思うので、ワイワイガヤガヤしてくれるまでは幹事が動かないとダメ。

そんで前者の、余興中の雰囲気づくりもちょー重要で、小さい会場では登壇者はオーディエンスの盛り上がりを見ながら進めざるを得ないので、「ちょー盛り上がってるから安心して思いっきりパフォーマンスしてください!!」の雰囲気を作れるか作れないかでパフォーマンスの質が変わってくるし、登壇者が舞台上からオーディエンスを煽ってくれれば会場のボルテージは自然に上がるものだと思っている。だから、ここで幹事の私としての役目は「全力で行ってOK」のサインを登壇者に出すこと。だから私は前行って、率先して声出したりガヤ入れたし、同期はライティングとかスクリーン使って雰囲気作ってましたね。

そんでついでに書いておくと、自分が前に立つ時は「自分で死なない状況を作る」ことが大切だと思っている。前に立つ前には、「これから前出なきゃだから盛り上げてくださいね〜!!」ってお願いしとくとか、お酌しておくとか、前出る前に絶対盛り上がってくれそうな人がいる場所を把握しておくと死にそうになった時に助け舟呼べたりしますよね。私は基本前には出たくないもんであんまり上手じゃないですけど、できるかできないかで言ったら”できなくはない”ので、やらなきゃいけない時はこのような形で死なない状況を作るようにしている。

おまけ:勝手に生まれた社会実験結果

これは別に狙って実験していたわけではないのだが、終わってみたら社会実験だったなーと思った。

今回、余興にはあまり時間取らず会の大半の時間は歓談にして、幹事は話題になるような動画の用意と、BGM流すのと、照明の調整して、飲み物だけちゃんと回るように気効かせたくらい(効いてたかは知らんけど)で、あとは会場で自由に楽しんでもらったのですが、ここでわかったことが一つ。

余興やりたい世代の人は自由時間があれば自分からスポットライトにあたりに行く。「新人は余興!!」みたいな文化って年次が上の人たちが作ってるのであって、今の新人がやりたいと思っているかといえば「#忘年会スルー」を見て察して欲しい現状。でも、その年次の上の人たちは「やりたい方、立候補してください!」と投げかけても遠慮なのか、わざわざ考えるほどはやりたくないのか真相はわかりませんが立候補してくれなかったんだけど、自由に使っていい時間を用意していたら自然と前に出て盛り上げてくれたんですよね。やっぱりやりたくてやってる人がやっているのを見る方が私は楽しいなと思ったし、社会人ってこんな感じなのかーって新人は学んだ。だから、「こう言うのは若手の仕事!!」って言われたことを真に受けてやりたくもない余興を嫌々やるよりは、前に出たい先輩方が出やすい空気をそれとなーく提供した方がみんなハッピーになれるんじゃないかなーって思いましたねー。嫌々やる仕事よりもやりたい仕事で成果が出やすい論と同じだよね。

まとめ

やりたくない感情だけでやっていたら絶対気づかなかったことでしたが、やりたくない中でどうしたらやる気が出るか真剣に忘年会に向き合った結果がこれだったなと思います。真剣に考えたらなんでも学びは起きますよね。だからと言って「新人だから」を全部半強制的に押し付けてくる社会が正しいとは私は思いませんが。どうしてもやらなきゃいけないなら、物事の本質みてやろーって思います。

そしてやっぱりイベントの企画は楽しいよ〜。せっかく楽しいイベントや飲み会が「#忘年会スルー」みたいに言われてしまうのって本当に悲しい。そもそも、その会に参加するメリットが参加対象者に伝わっていないことが問題だなーって。そのメリットが伝わらないならそれまでですが・・・。だって同じ忘年会でも、やりたい人が企画してる天才万博(西野さん企画の忘年会)にはお金も時間も割いてみんな行きたくなるわけじゃないですか。エンターテイメントって本当に素晴らしい!!!


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