日本酒ってアメリカで売れているの?
最近よく聞かれるこの質問。
アメリカのロサンゼルスに住んでみて感じる肌感を言語化してみようと思います。
結論、
安い日本酒は売れている。中価格帯〜高級酒はまだまだ余地あり。
という印象です。
どういうことか以下で詳しく述べてみようと思います。
安い日本酒が売れているとは?
まず、日本酒にとって重要な消費の場である、日本食レストランは2022年時点で全米で約2万3000店舗、カリフォルニア州だけでも約5000店舗あると言われています。
私がロサンゼルスで生活していても周りには日本食レストランがたくさんあります。
吉野家やCoCo壱のようなチェーンもあれば、アメリカ流にアレンジされた日本料理、個人経営の本格的な日本料理などなど、選択肢が山ほどあります。
その中でも、特に韓国人または中国人が経営しているアメリカ流にアレンジされた日本食レストランが大多数を占めている印象です。
そのレストランは大抵リーズナブルな価格帯のため、日本酒もリーズナブルなラインナップになっています。
そこで重要な役割を果たしているのが、現地生産をしているBig 4 (大関、宝、ヤヱガキ、月桂冠)です。
やはり、現地生産で大規模な造りをされているBig 4は日本酒エントリー層が支払いやすい価格で提供しています。
そのおかげで、Sakeと言ったら「飲んだことある!」「日本食レストラン行ったら必ず熱燗飲む!」という方にたくさん会ったことがあります。
これは1人の日本人としてもとても嬉しいです。
これまでアメリカの日本酒業界に携わってきた方々の努力の結果ですね。
ありがたい限りです。
中価格帯〜高級酒はまだまだ余地ありとは?
一方で、日本酒を飲んだことあるアメリカ人に「どのブランドの日本酒を飲んだことがある?」「どういうタイプのお酒が好き?」と聞くと、
「よくわからない」という答えが返ってくることが多いように感じます。
今のアメリカ・ロサンゼルスは日本酒エントリー層が溢れかえっていて、別の日本酒にトライしてみようという段階にはまだなっていない印象です。
だからこそ、次はエントリー層をどうやって別の日本酒(中価格帯〜高級酒)に引き上げるかを考える段階に来ていると考えています。
どのような打ち手が考えられる?
では、日本酒エントリー層を別の日本酒(中価格帯〜高級酒)に引き上げるにはどのような打ち手が考えられるでしょうか?
誰をターゲットにするのか次第で打ち手も変わりそうなので、Who, What, Howで考えてみようと思います。
例1
Who:ワインをこだわって飲む方
What:中価格帯〜高級酒
How:ワイングラスを使った日本酒の楽しみ方、ペアリングアイディアの提供
例2
Who:日本の歴史や文化に興味がある方
What:中価格帯
How:日本酒製造ストーリーや酒蔵の歴史と一緒に提供
例3
Who:可処分所得が高く、食費にお金を厭わない方
What:高級酒
How:レア度や特別な造り方、ペアリングアイディアを提供
3つ例を挙げてみました。
考えればまだまだ出てきそうですが、仮説をたくさん出して、その中で確度が高そうなものを実施してみて、刺さらなかったら修正か、また別の打ち手を考えてみる、その繰り返しですね。
アメリカの日本酒マーケットはまだまだこれから!私も貢献できるように頑張ります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参照:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2023/60677c66b878273d/pf_lag_2303.pdf
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