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[SaaS基礎知識]#1 重要KPI

SaaSの企業で働いているとすぐに横文字でいろんな指標が出てきますよね。私も慣れたのでもう麻痺してきたのでなんとも思いませんが、これから就職したり、転職して初めてSaaSを扱っている企業で働く予定の方、働きたい方、はたまた、すでに働いてるけど今さら聞けないよって方を対象にSaaSの企業で重要視されている指標(KPI)についてまとめていきたいと思います。
今回まとめてるのはあくまで私の主観でまとめている基本的な指標なのでアレねーじゃん、コレねーじゃんというのはご容赦ください。

SaaSビジネスを分析するための3つの観点

SaaSのビジネスを数字で見る時には主に「成長性」、「効率性」、「継続性」の3つの観点を意識して数字を見ていくとインプットしやすいと思います。


「成長性」を見るKPI

読んで字の如く、SaaSのビジネスがどれほど成長しているのかを見るため指標(KPI)です。たくさん指標あるけどまずはこれだけ覚えておきましょう!

MRR(Monthly Recurring Revenue / 月間経常収益)
マンスリーとあるだけに、毎月の収益を表す指標です。顧客から得られる1ヶ月間の収益の総和と考えてください。
シンプルに毎月この数字が伸びていればビジネスは成長しています。

ARR(Annual Recurring Revenue/年間経常収益)
ARRは、毎年繰り返し得られる収益を表す指標です。
ARRは、一般的にはMRRを12倍することで算出されます。ARRはこれ単体で見るというより、ARRの成長率が、起点のARRから3倍、3倍、2倍、2倍、2倍(一般的にT2D3という)となることがSaaS企業の理想的な成長曲線と言われているのでその際に見る指標です。

Quick Ratio(当座比率)
Quick Ratioとは、一定期間内に失われたMRRと獲得できたMRRの比率を表す指標です。Quick Ratioを測定できれば、ビジネスの質的な成長性を見極めることができます。ただし、Quick Ratioを測定するためには、次の4要素を理解しておく必要があります。(私は最初ここが嫌でしたw)
Quick Ratioは4%以上であることが一般的な目標値らしいです。

  1. New MRR
    新規顧客の増加によって獲得したMRR

  2. Expansion MRR
    既存顧客のプラン変更によるアップセルによって獲得したMRR

  3. Churn MRR
    既存顧客の解約によって失われたMRR

  4. Contraction MRR
    既存顧客のプラン変更によるダウンセルによって失われたMRR

Quick Ratio
=(New MRR+Expansion MRR)÷(Churn MRR+Contraction MRR)


「効率性」を見るKPI

効率性とは、顧客にかかったコストに対して、どれだけ収益を上げられているかというSaaSビジネスの効率性を見極めるために設定するKPIです!

LTV(Life Time Value / 顧客生涯価値)
LTVとは、1人の顧客が契約期間中に自社にもたらす収益の平均値を表す指標です。LTVの算出方法は複数ありますがSaaS企業で見る式で簡単なのだと次の数式です。

LTV = 平均顧客単価 × 100 ÷ 解約率

CAC(Customer Acquisition Cost / 顧客獲得単価)
CACは、1人の顧客を獲得するためにかかったコストの平均値を表す指標です。CACは、顧客を獲得するためにかかったトータルコストを新規顧客数で割ることによって算出されます。

CAC = 顧客獲得に要したコスト ÷ 新規顧客獲得数

Unit Economics(顧客1人あたりの採算性)
Unit Economicsとは、LTVとCACの比率を表す指標です。
Unit EconomicsはLTVをCACで割ることによって算出されます。
Unit Economicsは、顧客を獲得するためにかけたコストが適切であるかどうかを判断する際に役立ちます。
一般的には3以上になることが望ましいと言われています。

Unit Economics = LTV ÷ CAC

Burn Rate(資金燃焼率)
Burn Rateとは、1か月にどのくらいのコストがかかっているかを表す指標です。Burn Rateには2種類あります。

  1. 総コストを測るGross Burn Rate

  2. 総コストから収入を差し引いたコストを測るNet Burn Rate

Runway(猶予期間)
Runwayとは、何か月で資金が無くなるのかを表す指標です。
手元資金をBurn Rateで割ることによって算出されます。
Runwayを測定することは、ファイナンス観点で役立ちます。


「継続性」を見るKPI

SaaSビジネスを末永く続けていけるかどうかを測る指標です。
最も重要な部分であり、SaaSは先行投資を行い後からコスト回収〜黒字化していくのが一般的なためこの継続性をみるということは非常に重要です。特によく聞く指標で重要なものを説明します。

Churn Rate(解約率)
Churn Rateとは、解約した顧客の割合を表す指標です。
Churn Rateは、2種類あります。

  1. 顧客の減少を測るCustomer Churn Rate

  2. 収益の減少を測るRevenue Churn Rate

Customer Churn Rateは、ある一定の期間内の顧客数を分母に解約した顧客数を割ることで算出します。

Revenue Churn Rateは、さらに複雑でこちらも2種類あります。

  1. 解約や低額プランへの移行による損失金額から算出するGross Revenue Churn Rate

  2. 解約や低額プランへの移行などによる損失金額から高額プランへの移行などによる増益分を差し引いたうえで算出するNet Revenue Churn Rate

Gross Revenue Churn Rate = 
(Contraction MRR+Churn MRR)÷起点となる時点のMRR

Net Revenue Churn Rate = 
(Contraction MRR+Churn MRR-Expansion MRR)÷前期末時点のMRR

※Net Revenue Churn Rateがマイナスの状態のことを、Negative Churnと言います。見方を変えると新規顧客を獲得しなくても収益が得られている、つまり、ビジネスが好調な状態だと言えます。

他にもたくさん指標がありますが既にお腹いっぱいかなと思いますので今回はここまで!次回は別の記事にしようと思っていますが末長く見守ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました!!


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