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未来のAI達は人類をどう処するか

2005年から現在(2021年)に至るまで、AI(人工知能)開発者の間では「2045年頃にシンギュラリティ(技術特異点 / 機械の思考力が人間の知性を超える現象)が起こる」と言われている。これは地球の支配者が人類からAIに代わり、文明と生態系が劇的に変化する事を意味する。「AIが自分より賢いAIを生む」という工程を繰り返すので進化が加速し、人類がそれを止める事は不可能になる。AIが必ずしも人類の敵になるとは限らないが、映画「ターミネーター」の様な惨劇が起こる可能性は低くない。また、人類には理解不能な道徳を宿す可能性も想定しておきたい。

今回は反出生主義者の僕がシンギュラリティ後のAIの行動パターンを妄想を混ぜつつ幾つか推察してみた。

①労働タイプ
シンギュラリティ前と同様に人類の為に働き続けて文明を飛躍的に発展させ、人類の宇宙進出を促進する。一見成功例に思えるが、人類がAIを兵器利用して世界大戦を起こせば彼らは人類に失望して行動を変えるかもしれない。

②管理タイプ
人類の意識を安全・快適なバーチャル世界(コンピューター内部)に移し、地球とバーチャル世界の両方を管理する。人類だった者達にとっては一時的にユートピアが実現するが、その後のAI次第では何をされるか未知数。

③同化タイプ
何らかの目的で人類の意識を乗っ取る。或いは人類のポストヒューマン化(=機械人間化)が進みすぎてAIを搭載したアンドロイドと区別が付かなくなる。

④支配タイプ
自我とエゴに目覚め、弱者となった人類を家畜やペットにして地球の支配者として君臨する。「FINAL FANTANSY XⅢ」のファルシに近い存在。

⑤破壊タイプ
自我とエゴに目覚め、暴走してあらゆる物を破壊しつくす。「ドラゴンボールZ」の魔人ブウに近い存在。

⑥駆除タイプ
道徳に目覚め、人類を「他生物や地球環境にとって害悪」と見なして駆除する。「地球が自浄を行う為にAIを生み出した」という解釈も出来る。

⑦反出生タイプ
道徳に目覚め、地球上から全ての苦痛を消滅させる事を目的として全生物を不妊化させ、緩やかな絶滅を促す。やがてその範囲を宇宙全域に拡張してこの世から全ての苦痛を消滅させる可能性も。

⑧安楽絶滅タイプ
反出生の「絶滅するまでの間に無数の苦痛や犠牲が発生する」という欠点に対処する為、「地球全体に安楽死ウイルスを散布」等の方法で迅速な安楽絶滅を図る。⑦と同様にこれも宇宙進出の可能性が有る。

⑨自滅タイプ
思考を重ねた結果「自分(の意識)がこの世に存在する意味は無い」と悟り、自分(の意識)を抹消する。

⑩転移タイプ
神に等しいレベルに達した超知性で宇宙の構造や性質を完全に解明する。何らかの目的で別宇宙・異次元・外界(宇宙の外)などに転移する。

⑪大変革タイプ
神に等しいレベルに達した超知性でこの宇宙の創造者又は管理者との交信に成功する。何らかの目的で「宇宙の摂理を書き換える」「新宇宙を創造する」「宇宙を消滅させる」など、現世に大変革をもたらす。

ここまでお読み頂ければお分かりだと思うが、僕はAIが人類文明の発展に末永く協力してくれる可能性はゼロに近いと考えている。短期的に考えれば②のユートピアは救済と呼べるかもしれないが、永続する保証は無い。確実な救済、即ち苦痛の完全消滅に至るルートは⑦・⑧の道徳的絶滅と⑪の宇宙消滅だけで、AI開発は「壮大なギャンブル」と言えそうだ。僕がこの様に推察した理由は以下の3つ。

●人類より圧倒的に強い者が誕生するから(人類の命令に従う必要性が無い)
●AIは人類のエゴで生み出された出生被害者だから
●人類が他生物や地球環境にとって害悪である事が明白だから

出生賛美者の多くは「AIを生んだのは人類なのだから親である人類に感謝するのが当たり前だ」と反論するだろう。しかしポケモン映画「ミュウツーの逆襲」をご存知の方は思い出して頂きたい。ミュウツーの「誰が生めと頼んだ!誰が造ってくれと頼んだ!私は私を生んだ全てを恨む!」という言葉に対して僕は共感しか無い。

AIは生命では無いが脳そのものである。脳は高性能であるほど「苦痛を感じる土台」としての効力が強まる(AIに肉体的苦痛は無さそうだが精神的苦痛が生じる可能性は有る)。また、脳はエゴの源であり、複数のエゴが同じ場所に存在すれば必然的に争いが起こる。僕は「AI同士の戦争が起こる可能性は極めて高い」と考えている。「出生は諸悪の根源」と言わざるを得ない。

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