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「ヴィンチェンツォ」(痛快!!!)

「ヴィンチェンツォ」は痛快なドラマである。今まで見た韓国ドラマでは一番!

ほとんど善人は出てこない。唯一思い当たるのは、金塊の隠された問題のプラザビルで藁(わら)法律事務所を開いている人権派弁護士のユチャンくらいだ。娘のチャヨンはウサン法律事務所で働いているが、ここは悪徳企業バベルを擁護している。父はその反対側の立場。でも父が殺されてからは藁法律事務所を引き継いでいる。

ヴィンチェンツォはイタリアマフィアの顧問弁護士。小さい頃、母の都合で施設に預けられイタリア人夫婦が養子にした。母は預けた後もずっと息子を思っていたが...

金塊を隠した人物が亡くなり、それをプラザビルのオーナーと協力して自分たちのモノにする話だが、そこにはもっと重要なギロチンファイル(政財界を揺るがすもの)も隠されていた...

ヴィンチェンツォ自身、生き抜くために人も殺すし、けっして良いやつじゃない。でもプラザの住人やチャヨン、情報局のギソク達と怪物のような悪に立ち向かっていく。でもそもそも金塊を隠したひとも多分悪いやつだと思うが...

そんな中で印象に残っていて最初に思い浮かべるのは表舞台にやっと姿を現したバベルのトップが講演中、頭から赤い?液体を浴びせられるシーン。上方の離れた席からブラボーとヴィンチェンツォとチャヨンが拍手。

法廷に持ち込まれたハチに襲われ唇をはらす裁判長や悪事の映像が法廷に流されるシーンなど。

韓国ドラマでは悪事を暴くのに法廷や街頭で映像を流すのがよくあるから他のドラマと混ざってしまっているかも知れないが...映像という手法は解りやすくてすごい!
更にこのドラマでは、途中音を切って使われている効果音がものすごくカッコ良かった!たびたび印象的なシーンで使われていた。それとライターの開閉のカチッと鳴る音も!

かなりマンガ的要素もある。そのひとつ、むむむ??なのは絶対絶命かと思ったとき、仲良くなったハトのインザーギが仲間とともに救ってくれたのだ。ありえなーいと思ってしまった。
思わず笑ってしまうシーンも所々にあり、やはりマンガ的だ。

早い段階でユチャンは亡くなる(ヴィンチェンツォと飲んでいる店に飛び込んで来たトラックで)。その仕返しにコインランドリーで踊るミョンヒ(殺しを指示した)を狙うトラック。それらは愛の不時着に登場した邪魔者を消すトラックとオーバーラップした。(制作会社がスタジオドラゴンと言う事で納得)

人間は罪深いが、そんな中で一番の怪物的悪者は戦って負けた。ただ息子のその怪物的要素に気づきながら放置した父は更に罪深い。
このドラマは人間の狡さ醜さ欲深さに焦点を当て、ヴィンチェンツォと彼の仲間がそれをコテンパンにやっつけてくれるから痛快なんだと思う。やっつけていく側もけっして良いひとではない。だから思いっきりやれるのだ。痛快である!!

ラストはイタリアへ帰ってしまうのだが、マルタ島の近くに島を買ったという。そこは闘いに疲れたひとが癒されるところ。イタリア使節団に紛れて戻ってきたヴィンチェンツォはその島を藁と名づけ、あなたのための部屋もあるとチャヨンに語った。


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