見出し画像

世界遺産を未来へ繋げる

ペルーのナスカの上空を飛行機で飛ぶと,巨大な線画や様式化された動物や鳥の絵,幾何学模様などが見えます。これらの不思議な模様は,ナスカ平原の砂漠にあります。ナスカ平原はサハラ砂漠よりも乾燥した細かい砂の砂漠地帯です。ダカールラリーも過去に行われ参加したドライバーもこのきめの細かい砂に悩まされたと言っていました。

ナスカの地上絵は,幾世紀もの間姿を見せることはありませんでした。埋もれた芸術! 目に見えない芸術! 地上からは大きすぎて分からない! 正になぞ! この地上絵の全体が見えるようになり,識別されるようになるには飛行機の発明を待たなければならなかったのです。1927年,リマの南方450㌔ほどのこのあたりを飛んでいた往年の複葉機の一パイロットが,これらの奇妙な模様を見付けました。しかし特別な関心は示しませんでした。ところが1939年に,ポール・コソック博士が古代のかんがい用水の研究のためペルーを訪問し,これらの線画をこの地域独自のものと評価しました。

ナスカおよびパラカス文化圏に属し,これらの地上絵を考案した人々は,数々の点で進んでいましたが,文字による記録は残していません。そうした記録がないため,ナスカの地上絵に関する数々の最終的な解答は,まだ将来に待たねばならないでしょう。
それでも多くの事柄が明らかになっています。マリア・ライヒという一数学者が35年を費やしてこの平原を巻尺を手に,ナスカの地上絵のなぞの答えを幾つか見いだそうとし、歩き回りました。

この努力は引き継がれ、今日でも山形大学の研究グループが、人間や動物などを描いたとみられる168の地上絵を新たに発見しており、地上絵が描かれた目的や地上絵の分布調査が行われています。
これらの活動に加えて保護活動を行なっていければと2020年に日系人120年を記念して、新しいナスカの地上絵観測塔をリニューアルし、積み重ねた二国間の絆の象徴としてペルー文化省に寄贈しました。これはただ世界遺産を守るということだけではなく、今消えそうになっているナスカの地上絵を次世代や未来にも残したいと思っています。世界遺産は「顕著な普遍的価値」あるもので今だけでなく、これからもずっと守られていかなければいけないものだと認識しています。

それらの世界遺産を守ために観測塔の寄付さらには、これからの新たな地上絵発見につながるプロジェクトを推し進められればと思っています。

#未来のためにできること

ペルーを中心とした経済・教育の援助活動のサポート宜しくお願いします。いただいたサポートは活動を通して利用させていただきます。