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ペルーの知られざる世界遺産

カラル遺跡、米州最古の住居神殿跡として知られる。考古学者ルス・シャディ(Ruth Dhady)が遺跡内の一部が住民により浸食、不法占拠されていると告発、カルロス・アルメリ議員(PODEMOS)が不法占拠を支援していると名指しで批判した。

カラル遺跡は首都リマの北約200 km に位置するスーペの谷間に残る大規模な遺跡で、研究者たちの中にはアメリカ大陸最古の都市遺跡とされていて、推定の年代ではエジプトのピラミッド時代とおなじ年代のものと推定されている。カラルは少なくともアンデス文明で神殿建造物をもつ遺跡としては最古の時期に属していることからも、2009年世界遺産リストに登録された。ペルーでは7件目の文化遺産である。

実際に私は何度もその地を訪れているが、その壮大さに驚かされる。『シクラ』と呼ばれるイグサ製の目の粗い土嚢袋の放射性炭素年代測定では、紀元前2627年という数字が測定されておりこれが世界遺産登録への鍵となったことは間違い無いと思われる。

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これらの目の粗い袋「シクラ」は、神殿建設の石材の運搬に使われるとともに、さながら土嚢を積み上げる要領で、そのまま基壇を作り上げるのに使われた。日本で土嚢建築が認証されたのが1990年代だったと思うが、それを大昔のプレインカの人々は行っていたと思うと驚きが隠せない。どのように計測したのかは疑問だが正確に大きな神殿を築いたことは事実である。

まだまだ深い理解がない歴史的な遺産を守ることが十分に行われていないこの国でシャディ先生が激怒するのもよくわかる。以前にエジプト考古学者の吉村作治先生とシャディ先生とペルーで一緒に仕事をしたが、非常にキチッとした性格で仕事も早く優れた学者さんという印象を持っている。

また、遺跡に自由に出入りし古代の夢を見る時が戻ることを願ってます。

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