見出し画像

日本人だなぁーと思うとき

海外に長くいるとどうしても現地の習慣の方が身に染みてきて、どちらかというと外国寄りの考え方になっていくことがほとんどです。

例えば祝日の日程も、主だったものでなければほとんど現地の祝日の方が優先的に出てくるし、USDで料金を聞いたときにすぐに現地通貨に換算してしまうし、といった具合になる。

それでも自分が日本人だなぁと思うことは多々ある。日本食を食べたり、日本の音楽を聴いたりしたりするとやっぱりこちらがいいなぁと日本人であることのアイデンティティを感じるがこれらはほぼすべて能動的な行動から生まれるもの。つまり受け身で、無意識に日本人だと感じるのは『桜の花』を見たとき。

南米のペルーはブラジルと同じく多くの日系人がいるため、先人たちが桜の木を持ち込んでいる。さりげなく、自分の家の庭や会社の入り口に桜を植えていることが多い。日系の施設にいくと必ずといっていいほど桜の木が見られる。それでも桜の花はシーズンが短い。先週も日系施設を利用したときには咲いてなかった桜の花が今日出かけるとチラホラ咲いているではないか!

世界中の人も桜の花の美しさに魅了されている。実は数年前に手に入れた桜の木をペルー人の施設に寄付したことがある。今でもその施設の人々は「あの桜は本当に美しい花を咲かせるね」と言ってくださり、花が咲いたときには写真を送ってくださる。そんな花を見ると『あぁやっぱりいいなぁ』と感じる。

新渡戸稲造がいった『薔薇に対するヨーロッパ人の讃美を、我々は分つことをえない。薔薇は桜の単純さを欠いている。』さらに付け加えて、『武士道は、日本の象徴である桜花とおなじように、日本の国土に咲く固有の華である。それはわが国の歴史の標本室に保存されているような古めかしい道徳ではない。いまなお力と美の対象として、私たちの心の中に生きている。』私の心の中にも日本人の心が生きているのだなぁと新渡戸稲造の言葉を深く感じた今日でした。

#最近の一枚

この記事が参加している募集

最近の一枚

ペルーを中心とした経済・教育の援助活動のサポート宜しくお願いします。いただいたサポートは活動を通して利用させていただきます。