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今回もまた、面白かった。

ある出版社の編集会議の内容が、だ。

今まで、僕が書いてきたスポーツの記事は、基本的に、アスリートの生き様や、フィジカル・メンタルなどのストイックな部分に焦点を当てるものが多かった。時にはテクニカルな面にスポットを当てたり、企画によっては、スポーツビジネスのことを書くこともあったが、いずれにせよ、かなりカチッとした内容のものを書いてきたつもりだ。

それは、読者ターゲットが、スポーツ好きで、主に30〜50代の男性という前提があったからだ。

アスリートの特別な世界が響かない読者も、当然いる

今まで僕が見てきたアスリートの世界は、僕ら一般人には想像もつかないような特異な世界だった。取材の際には、まるで地獄絵図のような苦しみに耐えながら、アスリートが自分を追い込む様子を見たこともある。テクニカルな話を聞けば、僕らのレベルでは到底真似できないような高度な話になる。「身体が自然に動いた」なんて言われてしまえば、僕のようなただのオッさんには、それ以上掘り下げることもできなければ、理解することもできない。スポーツライターを名乗っていようが、完全にお手上げなのだ。

その度に、トップレベルのスポーツは、選ばれし者だけの特別な世界であることを身に沁みて感じてきた。もちろん、僕ら一般人がアスリートから得られる学びは数多くあるものの、一般人にアスリートの世界の凄さを事細かに伝えても、決して「真似してみよう」とは思わないし、「真似できそうだ」という勘違いすら起きないだろう。

読者をイメージすることの大切さ

このライフスタイル系の媒体の編集者の方々とやり取りをしていて、あることを感じていた。それは、彼らは、今まで僕が書いてきたようなカチッとした内容なんて求めていないし、ストイックな世界も求めていないということだった。いま彼らが僕に求めているのは、かなり「ゆるい」スポーツの記事だ。なぜなら、読者ターゲットが「ゆるくスポーツに興味がある」人たちだという設定だからだ。

会議で話が進めば進むほど、とにかくゆるさを追求してくる。

「全ての読者は、三日坊主である」

という前提で話が進んでしまいそうなほどだった。

ん?ちょっと待てよ。それって、俺みたいな人が読者ターゲットなんじゃないか?

僕は、今まで、少しポッコリしてきた自分の腹周りを見て、「そろそろ、やばいな」と思うとトレーニングを始め、ランニングをしてきた。時間がある時に5〜10km程度ランニングをしたり、エンジョイレベルのサッカーやフットサルをして、運動をする。思い立った時は、週3〜4で運動をするが、1ヶ月もすれば、その頻度は一気に半分以下に減少、2ヶ月もすれば、ほとんど運動しなくなる。僕のスポーツライフは、そんなグータラの繰り返しなのだ。

誤解を恐れずに言えば、一般の人なんて、きっとほとんどが、そんなものなのだ。

こんなところで、自分のグータラなスポーツ体験が活きる日がくると思うと、これからが楽しみで仕方ない。

僕は、今、読者に迎合するわけでもなく、媒体の軍門に下るわけでもなく、純粋に楽しみながら、記事の内容を考えている。こんなに楽しいことはない。

スポーツへの関わり方も人それぞれでいい。肩肘張らずに、「するスポーツ」も「みるスポーツ」も楽しめばいいと純粋に思った。

そうこうしているいうちに、眠くなってきた。少しポッコリし始めたお腹が気にはなるが、今日もそろそろ寝ることにしよう。


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