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「プレゼンテーションが苦手!」な人が見直すべきは“ドキュメンテーション”

WEBディレクターのざまです。
突然ですが、プレゼンテーションは得意ですか?
プレゼンテーションが苦手
という人には、以下のような傾向が見受けられます。

  • 緊張してうまく説明できない

  • 資料をただ読み上げてしまう

  • 何について話しているのかがわかりにくい

結果、言いたいことが伝わらないプレゼンテーションになっていませんか?
実は私も大のプレゼンテーション嫌いで、当時客先で話さなくてはいけないことを原稿にまとめて延々と読み上げるということをしていました。笑

本日は、そんな私が苦手なプレゼンテーションについて改善・工夫した点についてシェアします。


1.プレゼンテーションが求められるシーン

我々の業界でプレゼンテーションが求められるシーンは、日常的には主に2つほどあります。

  1. 新規案件獲得に向けたコンペ提案

  2. 各工程の合意形成に向けた定例会

我々の業界で主にプレゼンテーションが求められるシーン

また、1.と2.の当日までのおおまかな流れは、以下のとおりです。

  1. ドキュメンテーション作成

  2. レビュー・説明

  3. 質疑応答や議論

主にプレゼンテーションが求められる際の当日までのおおまかな流れ

ここで重要なのは、我々は1.のドキュメンテーションをベースにクライアントや聞き手に対して、レビューや説明を行っているということです。
要するに当日に自分自身が説明しやすく、聞き手にわかりやすいドキュメンテーションづくりが伝わるプレゼンテーションへの近道であることが考えられます。

ドキュメンテーションづくりが伝わるプレゼンテーションへの近道

2.聞き手にわかりやすいドキュメンテーションづくり

このセクションでは、ドキュメンテーション制作の際にマストで意識いただきたい事項についてお伝えします。

2-1.台割の作成

台割とは、どのページにどのような内容を載せるかといった構成や設計図のようなものです。
この目的は、話しの流れが飛躍したり、唐突になることを防ぐために実施します。
イメージとしては、本題(自分自身が伝えたいことや検討結果など)に向けて本題以前のページでは前提や過程、根拠となるような情報が掲載されており、本題以降のページでは本題の補足情報が掲載されているような流れが好ましいでしょう。

話しの流れが飛躍したり、唐突にならぬよう流れを確認

これはあくまでイメージでしたが、ポイントとしては以下のように考えています。

ポイント1.何を伝えたいドキュメントなのか?を考え、そのために必要な情報は何か?を逆算する

その際、各スライドはメインで伝えたい本題から見てどのような位置付け、役割を担うスライドなのかを言語化し説明できるようにしておきましょう。
本題で伝えたい内容の根拠として存在しているのか?補足情報として存在しているのか?といった具合です。

ポイント2.ページが進むにつれて話しの粒度が細かくなるようにする

例えば、クライアントにリニューアルの方針について合意形成を得るためのドキュメンテーションだったとしましょう。
その際、いきなり具体案を話された場合、説得力が弱いので聞き手からすると「なぜこの施策をやらなくてはいけないのか?」といった疑問を持ちながらその後の話しを聞き続けることになります。聞き手の集中力は切れ、投影資料からは目が離れ、目線はうつむき出すことでしょう。話し手のあなたからしても居心地の悪い時間になることが想像できますよね。
そのため、まずは誰にどんな目的で制作するのか?を示すターゲットの話しが序盤にあり、そのターゲットの行動パターンや思想などを調査した調査結果があり、具体案の提案といった本題に向けて内容が濃く細かくなる流れを意識してみましょう。
※ただし、時間のない上層部の方への説明やシーンによっては結論から話す手法もあるため、状況に応じて参考にしてください。

2-2.目次の掲載と扉ページの活用

目次とは、ドキュメンテーションの各セクションを時系列に記載されたものです。
扉ページとは、各セクションを区切る役割を担うページのことを指しています。
この2つの目的は、現在何について話しているのかを視覚的に示すために活用します。

例えば、大規模プロジェクト提案の場合、提案資料は100ページ近くになることが多々あります。
チームごとにドキュメンテーションを分けることもありますが、1つのドキュメンテーションの中でフロント制作やシステム構築の内容を体現することもあります。
その際、プレゼンテーション当日に目次がなく100ページの大作を長時間聞かされたらどのような気持ちになるでしょうか。
「特に気になっているデザインの話題は、いつ頃出てくるだろうか?」といった先行きが見えない状態の中、話しを聞き続けることとなります。また、扉ページがなかったら、「もうフロントの話しは終わったのかな?」「さっきと似たような話しも出ているけど今は何の話しをしているのだろうか?」のように話しのかたまりが見えないことで、現在地を気にして伝えたいことが伝わらないということがあります。

現在何について話しているのかを視覚的に示す

人はそんなに賢くないということです。作り手や話し手は伝えられているつもりでも、思った以上に聞き手には伝わっていないということを意識し、視覚と聴覚で伝えたいことを体現していく必要があります。

2-3.使用色のルール化

この目的は、色で情報を補完し聞き手の閲覧負荷を下げるために実施します。
例えば、A(例:プレゼンテーション)とB(例:ドキュメンテーション)といった2つのことについて話す際には、以下のような使用色のルール化を行います。

色で情報を補完し聞き手の閲覧負荷を下げる

各情報を記載する際には、上記のルールに沿った色を使用するようにしましょう。

使用色について、もう1つ注意点を共有します。
意味合いとしてのアクセントとデザインとしてのアクセントが混雑している方が稀にいます。
例えば、デザインのアクセントとしてタイトルに赤を使用したとしましょう。重要事項を指す際にも赤を使用した場合、聞き手や読み手はどのように赤の意味を受け取るでしょうか。
私ならこう思います。赤で記載されたタイトルのスライドは全ての内容が重要な事項なのではないか?しかし、次のスライドのタイトルも赤なので一体どの部分が特に重要事項なのかがわからなくなってしまいそうです。
意味合いとしてのアクセントとデザインとしてのアクセントが混在するとこのような混乱を招くことがあるので避けましょう。

2-4.内容に応じてスライドの構成を工夫する

スライドの構成を工夫するとは、1ページ(スライド)にどのように掲載するのかを工夫するという意味です。
目的は、本題で伝えたいことの流れを途切らせないために実施します。

例えば、過程・根拠・結論という流れでスライドがあるとしましょう。その際、根拠と結論でそれぞれ1スライドずつ(2スライド)だと説明しにくい場合は、ボリュームにもよりますが1スライドで体現することを推奨します。

本題で伝えたいことの流れを途切らせない

みなさんは学生時代などにドキュメンテーションを作成する際、先生から次のように教えられた記憶はありませんか?
1スライド1ワード=1枚のスライドに1つだけ伝えたいことを記載するようにと。これは間違いではありません。ただし、ビジネスにおいてはそのようなドキュメンテーションの作り方ではうまく人に伝えたいことを伝えられない場合があります。

みなさんはプレゼンテーションの当日にこんな経験をしたことはないですか?「このスライドでは、どこまで話せば良いのだっけ?」「次のスライドでは何を言うんだっけ?」このような迷いからプレゼンテーションに迷いが生じ、良い流れが途絶えてしまってはもったいないです。良い流れを途絶えないように、あえて1スライドで複数の内容を体現した方が聞き手に伝わるプレゼンテーションとなる場合があるということです。

ここまではマストで押さえて欲しい事項について共有してきました。ここからは、応用編について共有します。

3.既存のドキュメンテーションを流用する際によく起こりがちなミス

既存のドキュメンテーションを流用する場合、フレームワークごと流用することで内容がちぐはぐになるといったミスが起きがちです。

既存のドキュメンテーションを流用するケース例
・自身の経験則ではドキュメンテーションづくりが難しい場合、先輩が過去に作成したドキュメンテーションを参考にする。
・効率的なドキュメンテーションづくりのために過去に作成したドキュメンテーションを流用する。

既存のドキュメンテーションでは違和感のない流れだったとしても、フレームワークごと流用することで位置付けが不明なスライドが入ったり、話しの流れが飛躍してしまうことがあります。

参考資料をフレームワークごと流用した場合、ちぐはぐな内容になりがち

そこで、既存のドキュメンテーションを流用する際は、ドキュメンテーションに落とし込む際の手法のみの流用に留めることを推奨します。

参考資料は手法のみの流用に留める

この業界では、似たような要件のプロジェクトはあれど、そのプロジェクトを検討するうえで検討ロジックが全く同じになることは滅多にありません。そのため、そもそもドキュメンテーションのフレームワークごと流用できるケースなんて存在しないに等しいのが事実です。逆を言えば、既存のドキュメンテーションをそのまま流用できてしまった場合は、だいぶ品質が怪しいため第三者に資料の流れなどを確認してもらってから社外へ出すことを強く推奨します。

4.プレゼンテーション当日に役立つティップス

ここまでプレゼンテーション当日までに必要なドキュメンテーションの構成や内容について触れてきました。
これでプレゼンテーションは完璧なの?と少し不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この章では、プレゼンテーション当日に役立つティップスをご紹介したいと思います。

プレゼンテーション当日に役立つティップス

4-1.反応が良い人を見て話す

自身のプレゼンテーションの前に可能であれば、聞き手を観察してみてください。どのような場所でも必ず1人は反応が良い方がいるはずです。
例えば、相槌を打つ人、「あぁ!」など独り言のように言葉で反応する人、そのような人を1人見つけて、(自信創出のため)その人を見ながらプレゼンテーションを行いましょう。
余裕が出てきたら、他の人にも目線を配ってプレゼンテーションしてくださいね。

4-2.資料に記載していない情報を補完する

ドキュメンテーションには、特に重要事項が記載されていますが、そこには描かれていない必要な情報も必ず存在します。
例えば、あなたやプロジェクトメンバーの想いであったり、経緯であったり、次のスライドにつながる接続後のような役割を果たす情報などがあります。
このようにドキュメンテーションに記載されている情報のみでは不足しているため口頭で補うことで、伝わるプレゼンテーションを体現する必要があります。

4-3.過剰な敬語や丁寧語は避ける

若手によくありがちなのですが、敬語や丁寧語を必要以上に意識してプレゼンテーションをするのは控えましょう。
話し辛いうえに意識がプレゼンテーションの本質からずれ、支離滅裂になってしまったり、結果何を伝えたいのか?が伝わらなくなってしまうからです。
同じ会社の先輩と話すくらいの度合いが最適です。

5.まとめ

人に伝わるプレゼンテーションは、自分自身が説明しやすく、聞き手がわかりやすいドキュメンテーションづくりをすることが近道だとこちらの記事でお伝えしました。


ナレッジまとめ

  1. 台割を作成し、話しの流れが飛躍・唐突にならぬように気をつけるべし

  2. 現在何について話しているのか迷子にならぬよう目次と扉ページを活用して話しのかたまりを体現すべし

  3. 配色をルール化し、色で情報を補完すべし

  4. 一連の説明・理解がしやすくなるよう、スライドの構成を工夫すべし(例:根拠と結論は1スライドにまとめる)

  5. 既存ドキュメントを流用する場合は、手法のみを流用すべし


簡易的にポイントをまとめると上記のようになりますが、実際には当日までの話す練習というのもプレゼンテーションの良し悪しに大きく影響します。目安として、苦手な人は通しで最低15回から20回ほど説明の練習をするとよいでしょう。ここで重要なのは、話す内容を覚えるのではなく、ドキュメンテーションの構成(話しの流れ)を自身に理解させることを意識してみてください。

私はこの点を意識してプレゼンテーションの苦手意識を克服し、今ではお客様や社内メンバーの前でプレゼンテーションすることへの大きな抵抗感がなくなりました。
(とはいえ、プレゼンテーション得意です!大好きです!とは公言はできません。苦笑)
みなさんのプレゼンテーション克服を影ながら応援しています!
WEBディレクターのざまでした。


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