見出し画像

社労士試験を受験してわかったこと

8月に社労士試験を受験した。

会社の業務で必要になったわけではなく、自主学習として人事分野の知見を広げるのが目的だった。試験が終わって少し時間がたったので、反省も込めて学習期間から受験本番までのことを書いてみようと思う。もちろん、これから受験を考えている人にとって、少しでも有益な情報になればという気持ちも込めて書く。

受験結果は

最初に申し上げておくと、結果としては(自己採点の結果)不合格だった。だから合格のためのノウハウは提供できない。すみません。

実践した学習方法は

受験しようと決めたのは2019年の1月1日で、学習を開始したのは1月半ばだったと思う。受験日が8月25日だったから、だいたい7ヶ月くらいの準備期間でのチャレンジだ。通信講座やスクーリングはせず自学でやろうと決めていたので、大きめの本屋に行って一番良さそうだったTACのテキストを買っててきて学習を開始した。

学習を進めるにあたって決めたのは、「毎日勉強する」ということだけだった。時間としては平日は通勤の時間も含めて90分くらい、休日は2〜3時間くらいの学習時間を取って実践した。きちんと本番までの学習計画も立てて、1〜3月で基本のテキストと問題集をやり、4〜6月で択一と選択という問題形式に対応した問題集を2冊やりながら基本テキストを読み直し、7月〜本番まで過去問と模擬試験問題をやって仕上げ、というスケジュールで学習を進めていった。

ちなみに社労士試験とは

社労士試験を受けたことがある人ならご存知だと思うけど、一般的には社労士資格取得に必要な学習時間は800時間〜1,000時間と言われている(諸説あり)。今回の僕の学習時間を試算すると合格するまでに3年くらいかかる計算になるけど、人は人、自分は自分と言い聞かせて計画通りに進めた。(実際そんなに学習に時間をかけられなかったので)

試験の科目となるのは労働と社会保険に関する法律全般である。具体的には、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律、健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法だ。あと、これに労働、社会保険に関する一般常識が加わって、選択式と択一式という2つの試験形式で出題される。法律ごとに科目になっていて総得点だけではなく科目ごとに合格点が設定されるので、総得点が合格基準に達していても科目ごとの合格点をひとつでも落とすとアウトになる。科目ごとの合格点はだいたい6〜7割以上の点数を取る必要があるので、なかなか厳しい。合格率はだいたい8〜10%くらいだ。

学習の手ごたえ

で、実際学習を続けてどうなったかというと、繰り返し学習して過去問や模試では全科目合格点を超える点数を取れるところまではいった。だから、過去問ベースの力をつけるには6ヶ月くらいあれば充分可能であるということだ。

ここまでやったから、あとはベストを尽くすのみという気持ちで本番に臨んだが、結果は不合格だった。選択式は1科目だけ落としてしまったので惜しかったが、択一式は半分以上の科目を落とす結果だった。なので、過去問ベースの学習を完璧にしても合格できるわけではないということがわかる。

学習が足りなかった点は

主に2つの点が足りなかったなと分析している。

①法改正に対するリサーチが不足していた

主に労働に関する一般常識の科目でトレンド的な内容が出題される可能性が高い。参考書でも出題可能性が高いと推察される法改正や新施行の法律の予想はしているのだが、今回の試験では下記の制度内容が出題された。(ちなみに、恥ずかしながらこの改正内容は知らなかった)

知らない内容が出てくると、はっきり言ってもうアウトだと思う。合格基準を考えると1問だって落とせないからだ。

参考書の予想では全く出てこなかった内容なので、そこにケチをつけたいわけではなく、ちゃんと自分で情報収集しないとダメだということを申し上げておきたい。特に女性活躍推進法と次世代育成支援対策推進法のことは厚生労働省のWebサイトにちゃんと書いてあるし、働き方改革のこともあって今回の法改正内容は重要な施策になっていくんじゃないかなと思う。(定着するかはわからないけど。。)

だから、参考書とかまとめサイトではなく、日頃から厚生労働省のサイトをしっかりチェックしておくことが大事だ。人事としての基本的な情報キャッチアップができているか試されていると考えよう。

②根本的な理解が不足していた

身も蓋もないけど、過去問ベースで学習していて陥りやすいのがここだと思う。どの法律も大枠は変わらないので、毎年同じような問題が出題されている(はずだ)けど、ちょっと設問の視点や境界条件が変わるだけで全然正答できなくなる。ということは根本的な理解ができていないということになる。解決方法としては、参考書に書かれたことだけを理解すればいい、ではなくて、それぞれの法律の原文を読んだり、実際の判例にたくさん触れたり、と言った地道な努力が必要になるのだろうと思う。初見の過去問や模試で合格点を取れなければ、それはまだ力が不足しているということであると考えよう。

不合格なりに有効だと思った学習方法

基本的にテキストベースの学習の進め方だったけど、毎日学習するという目標をうまくサポートしてくれたのはスマホアプリだった。ここまでの文だと過去問バッシングみたいになっているけど、基本の学習方法としてはとにかく過去問や練習問題をたくさんこなすことが必要になるので、通勤時間とかスキマを使って問題が解けるアプリはものすごく便利だ。僕はこのアプリを使って学習した。問題数も多いし、課金する価値は充分ある。

最後に

受験してみて感じたのは、試験のための学習だけだと合格するのは難しいということである。出題範囲が広いし、つい受験みたいな感覚で学習を進めてしまいがちだけど、ちゃんと正しい情報を持っているか、トレンドを押さえているか、といった目線も必要だからだ。そういう点では、今回のチャレンジで人事分野の知見を広げるという目的は多少なりとも達成できたのではないかと思う。今回は合格できなかったけど、次回は(多分)いけるんじゃないかという希望も持てたし、学習コストはめちゃくちゃ高いけど定期的にチャレンジしてみるのはいいことだと思う。

※本文はあくまでも社労士試験に対する個人の見解ですので、その点ご理解ください。


社労士試験の詳しい情報はこちらで確認できます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?