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鹿崎シーカー
2020年10月29日 11:20
BOOOOOOOOOOOM! 爆発音が地面を叩き、轟と炎の唸る音がそう遠くない場所から聞こえる。真っ赤に染まった楽屋へと続く通路の真ん中で、太った燕尾服の男が膝を突いた。「ハァーッ、ハァーッ……! お前たち……!」 シルクハットを被った男は顔を上げ、数メートル離れた場所に立つ者たちを睨んだ。 人数は五人。目出し帽をかぶり、そろいの防弾チョッキを着こんだゲリラ部隊じみた出で立ち。携えたアサ