『リング・ワンダリング』
この休日は絶対に映画を観たくて、
今日は『リング・ワンダリング』を鑑賞しました。
その感想を書いていこうと思います。
この作品はこの前見た『カランコエの花』という作品に出ていた
笠松将さんを目当てで鑑賞しました。なんとなく影のある雰囲気と芯の強さを感じる俳優さんだったので、すごく惹かれるものがありました。
映画自体はすっきりとした印象で、かなり見やすかった印象です。
この投稿にはネタバレがある為、お気をつけください。
リング・ワンダリング(環形彷徨)
タイトルの「リング•ワンダリング」とは、
ということを意味する和製英語のようです。
濃霧や雪の中で方向感覚を失って、同じ場所から動けなくなる現象のことを
リング・ワンダリング現象というみたいです。
このタイトルは漫画を描けなくなっている主人公の状況も表してるし、同じ場所なのに別の時代に迷い込んだというタイムトラベルした状況も表していると思います。
そうなんです、驚きましたがこの映画タイムトラベル系の映画だったんです。そんなに際立ってSFっていう感じではないですが、本来交わらないはずの時間軸の人間同士の気持ちが一瞬だけ交わります。
工事現場で見つけた骨
主人公は工事現場でバイトをしながら、漫画家を目指す青年です。
個人的には工事現場でバイトしながらという設定は下積み時代という感じがして、好感を持てました。
新人賞に向けた作品を作るために、絶滅したニホンオオカミと狩人の戦いを描こうとします。何故、ニホンオオカミなのかというと主人公は「むずかしい題材にあえて挑戦したい」と理由を語っていました。
しかしニホンオオカミの資料が少ない為、序盤から主人公は漫画を書き進められない状態に陥っています。
ある時、主人公は工事現場でバイトをしている時に
動物の骨格を土の中から見つけ出します。家にそれを持ち帰りネットで調べると、主人公が題材にしていたニホンオオカミの骨格と共通点が見つかります。
もしかして、絶滅したニホンオオカミの骨格が出てきたのか!?
そんなことを思い他の部位の骨格もないかと、主人公は夜中に自らの仕事場である工事現場に潜り込むのでした。
不思議な女性との邂逅
工事現場でニホンオオカミの骨格を探していると、下駄を履いた不思議な女性と出逢います。その女性はシロという飼い犬を探していると言います。シロと間違えて工事現場に近づいてきた女性は、主人公の存在に驚き足を挫きます。
ここでびっくりしたのが、気づいたら自然にタイムスリップが始まっているという点です。主人公は女性と一緒にシロを探しながら、次第に女性のもといた70年前の世界に潜り込んでいきます。
最初タイムスリップしているのかわかりませんでした。主人公もそこから抜け出すまで気づいていなかった様子でした。結局シロは見つからずじまいで、主人公は女性を自宅に送り届けます。
なんとなく、あらすじばかり追ってしまっているので全体の感想を書こうと思います。
全体の感想
まず、主人公が漫画の題材をなぜニホンオオカミにしたいというバックボーン自体があまり作中で説明がありませんでした。映画自体短めだから、説明する時間がなかったのかもしれませんね。
ただ、絶滅したニホンオオカミを題材にするというのはロマンがあります。途中で見つかった骨格もニホンオオカミのものじゃないかと思わせる、ワクワクもあったし。そして、その骨の存在を追っていたら、気づけば昭和にタイムスリップしていてそれもロマンを感じました。
全体的に説明不足な感じがないと言えば嘘になりますが、なんとなくそんなロマンというか、ロマンチックさが映画全体を覆っている感じがしました。
また、主人公がタイムスリップをしてミドリという女性と出会うことで、そして現代に戻りミドリは過去の人間でもうなくなってしまっているということがわかることで主人公の漫画の終着点が少し人間味が出るのがいいなとお思いました。
ミドリとその家族と過ごした体験が、主人公の描く漫画の中で息づいているというのがめちゃいいですよね。ミドリ自身も主人公と別れる時に「私を忘れないで」と言っていて、主人公は漫画の中でミドリを生き続けされることにしたのです。
構成自体もタイムスリップを絡めながら、綺麗に伏線回収をしていてよかったです。
あとは、笠松将さん。本当に引き込まれる演技をされるなぁと思いました。
映画自体の台詞回しが少し気になるところがあったので、他の作品の笠松さんも見て見たいと思いました。
冬を感じながら爽やかな気分になれる作品です。
ぜひ、皆さんも一度ご覧あれ!
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