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アマプラ映画感想メモ#82『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』

82……ヤニ? な、映画習慣82日目。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。


今回観た映画はこちら。

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』

〇観ようと思ったきっかけ

急にアマプラで無料になったもんだから。

〇概要

1995年の日本映画。
監督は押井守。

〇あらすじ

電脳化および義体化技術の進歩により犯罪が複雑かつ凶悪化した近未来、公安九課は正体不明の犯罪者『人形使い』が日本に現れたことを受け、独自の調査を開始する。

〇ノート

前回の『フォーン・ブース』に引き続き上映時間80分台の映画を観たのだけれど、もう魔法か何かだとしか思えない。
これだけ色々な事があったのに80分⁉ と、何度も時計を見直しては戦慄した。
シーンの時間配分などを大まかに記録したノートを見返すと、どうにも一つ一つのシーンが短い時間でかつ滑らかに接続されているおかげのようだ。
どうしてそんなことできるのか考えてみたが、理由が二つ思いついた。
一つは、あまりに絵に説得力があるため、余計な状況説明や世界観を言葉で説明せずに済んでいること。
例えば最先端技術とは対になる様な人々の雑踏や乱雑な町並み、戦闘での動きなどは、絵でバンと見せられたら一瞬で伝わってしまう。役者の演技のおかげで細かい感情描写が必要なくなってしまうのと似た理屈だ。
もう一つは、出来事の道理を解説するのではなく、観客に追わせていることだ。登場人物の語る道理は時にその世界の文脈を同時に物語っていて、「ああ、この世界ではこういう理屈なのだな」と観客を適応させることでスピーディなテンポを実現している。
これらを可能にするのは、何より『雰囲気』ではないだろうか。
この映画では度々、起こる出来事を一旦置いておいてでも雰囲気や町並み、空気感を緻密に描写している。
一見ムダなことのように見えて、実は観客を世界の側に引き込んでテンポや道理を追わせる仕掛けになっているのではないか。
これ、小説でもできるのだろうか。
分からない。凄すぎて。
無料で配信されたせっかくの機会、何度も観返していきたい。

〇感想

何度も何度も思っていることだけれど、映画は短い方が良いなと思う。
これぐらいの速さの領域に行きたい。これからの時代に持ってたら絶対強い。小説にも応用可能な部分はあるから積極的に取り込んでいきたいなぁ。

それにしても、攻殻はTVアニメ版一期しか観ていなかったのだけれど、初代劇場版がこんなに面白いとは思わなかった。大満足。

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