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アマプラ映画感想メモ#81『フォーン・ブース』

81の、九九最強の技感にうっとりする映画習慣81日目。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。


今回観た映画はこちら。

『フォーン・ブース』

〇観ようと思ったきっかけ

あらすじと上映時間を見かけた時に『この内容を、この時間で!?』と衝撃を受けたため。

〇概要

2002年のアメリカ映画。
監督はジョエル・シュマッカー。

〇あらすじ

宣伝屋の男スチュアートは、独身と偽って付き合おうとしていた浮気相手に公衆電話から電話をかけていた。すると電話が独りでに鳴り出し、見知らない男が出る。彼はスチュアートのことを知り尽くしており、狙撃銃で彼に狙いを定めていた……

〇ノート

80分とは思えない密度だった。
導入から状況発生までの舞台の立て方や雰囲気作り、登場人物たちの顔見せが異常なほど無駄なくかつ印象的に展開され、その速度を保ったまま続きの物語が展開される。
特に主人公のダメな人間性がとても印象に残った。
もう、これほどまでに駄目に書いていいんだってぐらいザックリ駄目に書いていて、ダメ人間を抉っていくタイプの物語はここまでやっていいんだと励みにすらなった。
また、時に電話を相手とのワイプで繋げて場面転換無しで進めていたのも無駄が無くて良いと思った。
そうしたテクニックで時間を詰めに詰めまくった小手先のお話かと思いきや全然そんなことは無くて、電話を通じたコミュニケーションとその不全を、状況とテーマを絡めて描いていたし、最後数分の「おっ、そうきた!?」という感じは凄く印象に残った。

〇感想

映画、やっぱり内容が足りているのであれば短ければ短いほどいいなと感じた。80分という比較的短い時間なのに、あまりに危機的で不安定な状況の連続に「早く終わってくれ!」と逃げ出したい気持ちになってしまった。
一つのシーンに幾つもの効果を兼ねているのが特に上手く利いている。最初の導入のシーン、主人公が電話しながら街を歩いているだけなのに物語の前準備が全部整ってしまうのは本当に早すぎてびっくりした。
あと、後から観たらその場しのぎでしかないようなピンチや希望も、使い方によってはとんでもなく効果的で、やっぱり本当に面白い作品は観る人の感情を計算して作っているのだなと感じた。
すげー

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