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アマプラ映画感想メモ#80『ザ・レイド』

RPGのレベル80の敵とかが出て来るダンジョンが好きな人間の映画習慣80日目。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。


今回観た映画はこちら。

『ザ・レイド』

〇観ようと思ったきっかけ

何かのインタビューで藤本タツキ先生が話題に出してた気がするため。

〇概要

2011年のインドネシア映画。
監督・脚本はギャレス・エヴァンス。

〇あらすじ

インドネシア、ジャカルタの犯罪王リヤディを捕えるため、SWAT隊員は彼の根城、殺し屋や犯罪者の住むビルに突入する。速やかに任務をこなそうとする隊員たちだったが、やがて殺し屋たちとの全面戦争へと突入していく。

〇ノート

一つの構造物の中で完結する話に、何だか他にない魅力を感じてしまう。
ゲーム『ベイグラントストーリー』や、『bloodborne』を始めとしたフロムゲー、それにマンガ『メイドインアビス』(穴の中の話で済むのかどうかは知らないけれど)などがそうなのだけれど、こう、潜っていくような感じになる雰囲気が好きなのかもしれない。
旅系のバリエーション豊かな物語も好きなのだけれど、こういう突き詰めていく系のひりつくような冒険もとても良い。フォーカスしていく感じというか、何というか。上手く使い分けができたら楽しいだろうと思う。
また、こういう状況が目まぐるしく動く作品は丁寧に互いの陣営の動きをおさらいしていきながら進めていくべきで、敵側にも視点をおけるキャラがいた方がいいなと思った。
ただ、作品の面白さとは別に、一つだけ気になる点があった。『味方の足を引っ張る味方』がいることと、その存在が物語の焦点になってしまったことだ。
普通はそんな奴さっさと切り捨てていきたくなるのが人情だが、作中の人々は何だかんだでそいつを野放しにしてしまい、どんどん物事が悪い方向に転がっていく。現実の物事って実際そういうものなのだけれど、エンターテイメントとしてはちょっと良くない気がする。
気持ち良さやアクションの凄さ、ハラハラ感にかなりの力を振った『ザ・レイド』だからこそ、その点が目立ってしまった印象。
話の都合でそういう奴を出すにしても何か、こう、上手くヘイトコントロールする術が必要だろうと感じた。
とはいえ、そういった事情は半分ぐらいは『一つのビルでSWAT隊VS殺し屋集団の大バトル!』という状況を成立させるための舞台設定に過ぎない気もするため、自分が気にし過ぎなのかもしれない。

〇感想

敵幹部のキャラが立っていてよかった。
特に拳銃を途中で捨てて素手で殴ってくるおじさんが悪役ながらも正々堂々と悪い奴で好感が持てた。対して、味方サイドがちょっと弱いというか、何というか。たぶん敵キャラを書きたかったんだろうなぁ、という気がする。SWATにキャラ立ちし過ぎたキャラがいるのも変だし、難しいところだ。
同じ設定で作品を作るならどんな主人公たちにするだろうか。そういう事を考えてみるのも面白いかもしれない。
いや、何だか否定的な事も書いてしまった気がするけれど、『ザ・レイド』、メチャクチャ面白かった。
ある種のダンジョン物というか、一つの箱の中で戦う系のお話として物凄く勉強になった。
こういう尖った面白さをぶつける攻撃力的な部分を見習って創作に活かせたらなと思う。

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