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嫌な思考と距離を取る

今回は脱フュージョンのお話です。フュージョンしている状態とは、自分の思考で頭がいっぱいになり、目の前の今、ここに気づく事ができない状態を言います。例えば、休日に子供と遊んでいる間も、仕事の事を考えてしまい、心ここにあらずという状態でその時間が少しも楽しめない状態です。他者や自分に対して過度な決めつけを行い、行動のレパートリーが少なくなってしまうのも、フュージョンしている状態と言えます。

人は言葉がある以上、簡単に思考の海に溺れてしまいます。自分の思考や感情に溺れるのではなく、うまく距離をとるのが脱フュージョンです。

脱フュージョンのために、色々の方法が提案されています。日々の小さなトレーニングで脱フュージョンは身についてきます。

さて、私の今日の昼間の出来事を事例として紹介します。

天気がよかったので、久々にジョギングをしました。走っている最中に、あるT字路に差しかかりました。普段から交通量の少ない場所で以前は信号もありませんでした。信号は赤でしたが、車は一台も走っておらず、そのまま渡ることにしました(すみません!)。道路を挟んだ正面に、自転車に乗った高齢の方が信号待ちをしていました。明らかに彼は私を目で追っており、不機嫌そうな顔になっているのが分かりました。私が彼の横を通り過ぎる際に、私を睨みながら何やら文句を言っているのが聞こえました。
私はそのまま走り続けましたが、瞬間湯沸し器のごとく、怒りがふつふつと湧いてきました。立ち止まり、相手に怒鳴りかえそうかとも考えましたが、信号無視をしたのは自分だしなあ、でも彼には迷惑をかけていないのになあ、あの物の言い方は許せないなあ等々、色々な思考が織り混ざり、さらに怒りの感情がどんどん大きくなってきているのがわかりました。

心の中で呟きました

「怒ってるなあ、俺」

そして 

「!!」

心の中で呟きます。

「俺はあのおやじに怒ってる‼️」

「!!」

更に呟きます。

「俺はあのおやじに怒ってる、という考えを持っている」

「!!」

呟きはまだ続きます。
「俺はあのおやじに怒ってる、という考えを持っている、ということに気づいている」

怒りは段々おさまってきました。

「おのおやじは教育関係者で、大人はルールを守れと伝えたかったのかもしれないなあ、ごめんねおじさん。。。」

と冷静さが戻ってきました。

モヤモヤした気持ちは、やや残っていましたが、ランニングを楽しむ心の余裕を取り戻しました。


「○○を考えている」状態から、
「○○という考えを持っている」更に、「○○という考えを持っている事に気づいている」

と心の中で唱える事により、思考(言葉)と距離を置くことができます。

是非ともお試しください。
信号無視はしません_(..)_

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